116A047|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床口腔外科学
口底部の腫脹を主訴として来院した患者の口腔内写真(別冊No. 11A)、MRI T1 強調横断像(別冊No. 11B)及び脂肪抑制T2 強調横断像(別冊No. 11C)を別に示す。 最も考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
MRIで脂肪と同じ信号を示し、脂肪抑制画像で信号が低下する口底腫瘤を脂肪腫と判断します。
解説
脂肪腫は成熟脂肪細胞からなる良性腫瘍です。MRIでは一般に皮下脂肪と同じくT1強調像で高信号を示し、脂肪抑制法を用いると信号が抑制されます。この信号特性が診断の重要な手掛かりになります。
ラヌーラや類表皮囊胞などの嚢胞性病変は、通常は脂肪と同じT1高信号・脂肪抑制を示しません。
画像の確認
実画像では、口底前方に滑らかな粘膜下膨隆があり、MRIでは皮下脂肪と同様にT1強調像で明るい限局性腫瘤が、脂肪抑制像で低信号化している。この信号変化は脂肪成分を示し、脂肪腫を選ぶ正答aを支える。
選択肢の確認
a.脂肪腫
正答。最も考えられます。
脂肪腫はT1強調像で脂肪と等しい高信号を示し、脂肪抑制像で信号が低下するため最も考えられます。
b.神経鞘腫
本症例の画像特性とは合いません。
神経鞘腫は充実性腫瘍で、脂肪と同一の信号が脂肪抑制で消える所見は典型ではありません。
c.ラヌーラ
本症例の画像特性とは合いません。
ラヌーラは舌下腺由来の粘液貯留で、嚢胞性の水分信号を示します。脂肪抑制で脂肪のように信号が消える病変ではありません。
d.類表皮囊胞
本症例の画像特性とは合いません。
類表皮囊胞は内容物に応じた嚢胞性信号を示し、拡散強調像が鑑別に有用ですが、典型的脂肪信号とは異なります。
e.甲状舌管囊胞
本症例の画像特性とは合いません。
甲状舌管囊胞は頸部正中に多い発生異常性嚢胞で、口底脂肪性腫瘤の典型ではありません。
覚えるポイント
- 脂肪腫はT1高信号で脂肪抑制により低信号化します。
- ラヌーラは舌下腺由来の粘液貯留です。
- 口底病変では正中・側方、顎舌骨筋との位置関係を確認します。