115C068第115回 歯科医師国家試験 過去問

社会歯科公衆衛生・予防歯科

7歳の女児。下顎左側第二乳臼歯の精査を希望して来院した。入学後の歯科健康 診断では問題はなかったが、今年、学校歯科医に指摘されたという。初診時の口腔 内写真 (別冊No. 26A とエックス線画像 (別冊No. 26B、C を別に示す。 そのままにしていた場合生じる可能性が高いのはどれか。 2つ選べ。

115C068の問題画像
2つ選択
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正解: b・d

正答

b、d

この問題のポイント

下顎左側第二乳臼歯が周囲歯より低い位置にあり、エックス線画像では歯根と歯槽骨の骨性癒着が疑われます。放置すると、乳歯Eの低位が進行し、後継永久歯である第二小臼歯の埋伏を生じる可能性があります。

解説

症例は7歳で、前年の学校歯科健康診断では問題を指摘されず、今年になって下顎左側第二乳臼歯の異常を指摘されています。短期間に周囲歯との高さの差が目立ってきた経過から、乳歯の骨性癒着に伴う低位乳歯を考えます。

骨性癒着では、歯根膜の一部が失われ、セメント質と歯槽骨が直接結合します。癒着歯は顎骨の垂直的成長や周囲歯の萌出に追従できないため、相対的に咬合面が低くなります。実際に歯が沈下するというより、周囲の歯槽骨と歯が成長・萌出することで低位が進行して見えます。

低位が強くなると、隣在歯の傾斜、対合歯の挺出、萌出空隙の減少が起こります。その結果、後継永久歯である下顎左側第二小臼歯の萌出路が失われ、埋伏する可能性が高くなります。

画像の確認

実画像では、下顎乳臼歯が隣在歯の咬合平面より著しく低位となり、隣在歯の傾斜も始まっている。パノラマ・デンタル像で後継永久歯がその直下にあり萌出空隙が脅かされる配置から、低位化の進行と後継歯埋伏を示す正答b、dを支える。

選択肢の確認

a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
問題画像のaは「D:晩期残存」です。病変の中心は左側第二乳臼歯Eであり、第一乳臼歯Dの晩期残存が最も生じやすい変化ではありません。

b.選択肢b(問題画像参照)
正しい。
問題画像のbは「E:低位の進行」です。骨性癒着した乳歯は周囲の顎骨成長や歯の萌出に追従できず、相対的な低位が進行します。

c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
問題画像のcは隣在永久歯の形成不全を示します。低位乳歯を放置した場合の代表的な結果は、歯胚形成不全ではなく、空隙減少や萌出障害です。

d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
問題画像のdは後継永久歯である第二小臼歯の埋伏を示します。低位進行と隣在歯傾斜によって萌出空隙が失われると、埋伏の危険が高まります。

e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
問題画像のeは永久歯の失活を示します。低位乳歯を放置したことだけで、隣在永久歯が失活するのが一般的な経過ではありません。

覚えるポイント

  • 低位乳歯の主因として骨性癒着を考えます。
  • 放置すると低位が進行し、隣在歯傾斜と空隙喪失を生じます。
  • 後継永久歯の萌出障害・埋伏に注意します。

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