115C046|第115回 歯科医師国家試験 過去問
口腔乾燥の原因とその機序の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。 a 糖尿病 ームチンの分泌亢進 唾液腺の萎縮b 慢性GVHD 唾液腺の萎縮 c 精神的緊張 副交感神経優位 d 抗うつ薬服用 ムスカリン受容体拮抗抗 うつ薬服用e Sjögren 症候群 Stensen 管の消失

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正解: b・d
正答
b、d
この問題のポイント
口腔乾燥は、唾液腺実質の障害、自律神経作用、薬剤の抗コリン作用、脱水など、異なる機序で生じます。原因と病態を対応させます。
解説
唾液分泌は主に副交感神経刺激によって促進されます。アセチルコリンがムスカリン受容体へ作用すると、多量の水様性唾液が分泌されます。したがって、ムスカリン受容体を遮断する薬剤では唾液分泌が低下します。
慢性GVHDでは、移植片由来の免疫細胞が宿主の唾液腺を障害し、腺房の破壊、萎縮、線維化などが起こります。その結果、唾液分泌が低下します。
抗うつ薬、特に抗コリン作用をもつ薬剤では、ムスカリン受容体が遮断され、唾液腺への副交感神経刺激が伝わりにくくなります。
糖尿病では高血糖に伴う浸透圧利尿と脱水、自律神経障害、服薬などが口腔乾燥に関係します。精神的緊張時には交感神経優位となり、水様性唾液が減少します。Sjögren 症候群では自己免疫性の腺房破壊が本態で、Stensen 管そのものが消失するわけではありません。
画像の確認
実画像では、原因と唾液腺変化の対応表に『慢性GVHD―唾液腺萎縮』と『抗うつ薬―ムスカリン受容体拮抗』が示されている。画像内の対応関係を照合すると正答b、dとなる。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
問題画像のaは「糖尿病-ムチンの分泌亢進」です。糖尿病の口腔乾燥は、主に高血糖による脱水、自律神経障害、薬剤などに関係し、ムチン分泌亢進を原因とはしません。
b.選択肢b(問題画像参照)
正しい。
問題画像のbは「慢性GVHD-唾液腺の萎縮」です。慢性GVHDでは免疫学的障害により唾液腺腺房が破壊・萎縮し、唾液分泌が低下します。
c.選択肢c(問題画像参照)
誤り。
問題画像のcは「精神的緊張-副交感神経優位」です。精神的緊張時は一般に交感神経活動が優位となり、水様性唾液が減少して口腔乾燥を自覚しやすくなります。
d.選択肢d(問題画像参照)
正しい。
問題画像のdは「抗うつ薬服用-ムスカリン受容体拮抗」です。抗コリン作用によりアセチルコリンの作用が抑えられ、唾液分泌が低下します。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
問題画像のeは「Sjögren 症候群-Stensen 管の消失」です。Sjögren 症候群では唾液腺実質へのリンパ球浸潤と腺房破壊が起こりますが、耳下腺管であるStensen 管の消失が本態ではありません。
覚えるポイント
- 慢性GVHDとSjögren 症候群では唾液腺実質が障害されます。
- 抗うつ薬などの抗コリン作用はムスカリン受容体遮断により口腔乾燥を起こします。
- 精神的緊張時は交感神経優位となり、口腔乾燥を感じやすくなります。