115C039|第115回 歯科医師国家試験 過去問
85 歳の女性。左側顎下部からの排膿を主訴として来院した。 4か月前に自覚し、 徐々に増悪してきたという。 5年前から骨粗鬆症に対しビスホスホネート製剤を内 服している。初診時の顔貌写真 (別冊No. 11A 、口腔内写真 (別冊No. 11B 及び エックス線画像 (別冊No. 11C を別に示す。 骨病変の範囲の評価に有用な検査法はどれか。 3つ選べ。

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正解: a・b・e
正答
a、b、e
この問題のポイント
ビスホスホネート製剤の長期服用歴があり、排膿、口腔内骨露出、顎骨の混合性変化を認めます。薬剤関連顎骨壊死が疑われ、骨病変の範囲評価にはCT、MRI、99mTc-MDP シンチグラフィが有用です。
解説
薬剤関連顎骨壊死では、骨吸収抑制薬などの使用中または使用歴がある患者に、顎骨露出、瘻孔、排膿、疼痛、腫脹などが生じます。本症例では、皮膚瘻孔、口腔内排膿、パノラマエックス線画像での骨硬化・骨破壊を認め、病変の広がりを三次元的・機能的に評価する必要があります。
CTは、腐骨、骨硬化、骨溶解、皮質骨破壊、骨膜反応など、骨の形態的変化を詳細に評価します。
MRIは、骨髄信号の変化、炎症の骨髄内進展、周囲軟組織への波及を評価できます。金属によるアーチファクトには注意します。
99mTc-MDP シンチグラフィは骨代謝が亢進した部位に集積し、形態画像で明瞭になる前の活動性病変や広い範囲を評価するのに役立ちます。ただし、炎症、腫瘍、治癒過程などでも集積するため、特異的診断ではありません。
画像検査の使い分け
CTは骨形態、MRIは骨髄と軟組織、骨シンチグラフィは骨代謝活動を評価します。複数の情報を統合して病変範囲を判断します。
画像の確認
実画像では、左顎下部に発赤を伴う皮膚瘻孔、口腔内に骨露出を疑う不整な創面があり、パノラマ像では左下顎体部に斑状の硬化像と透過像が広がっている。病変範囲の評価には骨形態をみるCT、骨髄・軟組織をみるMRI、骨代謝をみる99mTc-MDPシンチグラフィが対応し、正答a、b、eを支える。
選択肢の確認
a.CT
正しい。
腐骨、骨硬化、骨溶解、皮質骨破壊などを三次元的に評価し、手術範囲の検討にも有用です。
b.MRI
正しい。
骨髄炎症の広がりや周囲軟組織への進展を評価できます。骨髄病変の範囲把握に有用です。
c.超音波検査
誤り。
表在性軟組織や液体貯留の評価には有用ですが、下顎骨内部の広い病変範囲を評価する主検査ではありません。
d.99mTcO4⁻シンチグラフィ
誤り。
99mTcO4⁻は主に甲状腺や唾液腺などの機能評価に用いられます。骨代謝病変の範囲評価には適しません。
e.99mTc-MDP シンチグラフィ
正しい。
MDPは骨代謝が亢進した部位へ集積し、顎骨病変の活動性と広がりの評価に有用です。
覚えるポイント
- CTは骨の形態、MRIは骨髄・軟組織を評価します。
- 99mTc-MDPは骨シンチグラフィに用います。
- 99mTcO4⁻は唾液腺や甲状腺の評価と関連します。