115B070|第115回 歯科医師国家試験 過去問
38 歳の女性。下顎左側第一小臼歯の動揺を主訴として来院した。 1年前から自 覚していたがそのままにしていたという。歯周基本治療後の再評価の結果、歯周外 科治療を行うこととした。初診時の口腔内写真 (別冊No. 31A とエックス線画像 (別冊No. 31B を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 34433舌 側* ⑥ ④ 歯 種 614頰 側* 34⑦ ④ 34動揺度** 020* :プロービング深さ (mm )〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 術中に行う処置はどれか。 2つ選べ。

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正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
歯周基本治療後にも深い歯周ポケットと垂直性骨欠損が残る場合は、歯周組織再生療法を検討します。術中には、根面を清掃するスケーリング・ルートプレーニングと、再生を促すFGF-2製剤の応用を行います。
解説
症例は歯周基本治療後の再評価で、下顎左側第一小臼歯周囲に深いプロービング値とプロービング時出血が残っています。
歯周組織再生療法では、歯肉弁を剝離して欠損部を直視し、肉芽組織を除去します。その後、歯根面に残る歯石、汚染セメント質、細菌性沈着物をスケーリング・ルートプレーニングで除去し、再生しやすい根面環境を整えます。
FGF-2製剤は、線維芽細胞増殖因子を利用した歯周組織再生剤です。適応となる垂直性骨欠損へ塗布し、歯根膜、セメント質、歯槽骨を含む歯周組織の再生を促します。
治療選択のポイント
再生療法の成否には、適切な欠損形態、炎症のコントロール、良好な口腔衛生、喫煙などのリスク管理、術後のメインテナンスが重要です。
画像の確認
実画像では、下顎左側第一小臼歯に補綴装置があり、エックス線写真でその周囲に限局した角状の骨欠損がみられる。再評価表でも同歯に6〜7 mmの深いポケット、出血および動揺度2が残っている。欠損部を明視下でスケーリング・ルートプレーニングしFGF-2製剤を応用するというd、eを支える。
選択肢の確認
a.外斜切開
誤り。
外斜切開は歯肉切除術で用いる切開です。歯肉弁を保存して骨欠損内の再生を図る本症例の術式には適しません。
b.歯肉整形
誤り。
歯肉の形態を生理的に整える切除的処置です。垂直性骨欠損に対する再生療法の中心操作ではありません。
c.歯肉弁根尖側移動
誤り。
歯肉弁を根尖側へ移動してポケットを減少させる切除的手術です。付着歯肉や骨形態によって適応はありますが、FGF-2を用いた再生療法とは目的が異なります。
d.FGF-2 製剤の応用
正しい。
適応となる歯周骨欠損へ応用し、歯根膜細胞や骨形成に関わる細胞の増殖を促して歯周組織再生を図ります。
e.スケーリング・ルートプレーニング
正しい。
術野を直視しながら、根面の歯石と汚染物を徹底的に除去します。再生材料を適用する前の必須操作です。
覚えるポイント
- 再生療法では、まず炎症と根面汚染を除去します。
- FGF-2は、適応となる垂直性骨欠損で歯周組織再生を促します。
- 外斜切開や根尖側移動術は、主に切除的ポケット除去の考え方です。