115B035|第115回 歯科医師国家試験 過去問
39 歳の男性。上顎左側第二小臼歯の違和感を主訴として来院した。 1年前から 時々自覚していたがそのままにしていたという。歯髄電気診に生活反応を示した。 初診時に異なる方向から撮影したエックス線画像 (別冊No. 11 )を別に示す。 適切な対応はどれか。 1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
生活反応を示す歯に根管内を中心とした吸収像があり、異なる方向からのエックス線撮影で位置関係を評価する場合、内部吸収を考えます。進行を止めるため、歯髄組織を除去する抜 髄が必要です。
解説
内部吸収は、根管壁の象 牙質が歯髄腔側から吸収される病態です。外傷、慢性歯髄炎、修復処置などが誘因となることがあります。吸収を進行させる破歯細胞が活動するには、病変部に生活歯髄組織と血流が残っている必要があります。そのため、歯髄電気診で生活反応を示すことがあります。
エックス線画像では、根管に連続する円形または楕円形の透過像としてみられます。撮影方向を変えても透過像が根管の中心に留まることが、外部吸収との鑑別に役立ちます。外部吸収では、管球方向を変えると吸収像が根管に対して移動してみえます。
治療の目的は、吸収を担う歯髄組織を速やかに除去し、根管を清掃・消毒して封鎖することです。したがって、保存可能で穿孔が制御可能な段階では抜 髄・根管治療を行います。
画像の確認
実画像では、上顎左側第二小臼歯根の中央部に楕円形の透過像があり、撮影方向を変えた二枚でも透過像は根管腔と重なって中心にとどまる。生活歯髄組織を介して進行する内部吸収を疑う配置であり、その組織を除去する抜髄を選ぶ根拠になる。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。
内部吸収は生活歯髄組織が残る限り進行する可能性があります。放置すると根穿孔や歯質の著しい菲薄化を招くため、単なる経過観察は適切ではありません。
b.暫間的間接覆髄
誤り。
暫間的間接覆髄は、深在性齲蝕で歯髄露出を避けながら歯髄を保存する処置です。根管内で進行する内部吸収を停止させる治療ではありません。
c.生活歯髄切断
誤り。
生活歯髄切断は、主に根未完成歯などで冠部歯髄を除去し、根部歯髄を保存する処置です。根部歯髄に吸収病変がある場合、病変を残す可能性があります。
d.抜 髄
正答。最も適切です。
吸収を進める生活歯髄組織を除去し、根管を清掃・消毒・充填して内部吸収の進行を止めます。
e.抜 歯
誤り。
根穿孔が広範で修復不能、または残存歯質が著しく少ない場合には抜歯を検討します。しかし、保存可能な内部吸収歯では、まず根管治療を選択します。
覚えるポイント
- 内部吸収は歯髄腔側から進む象 牙質吸収です。
- 異なる撮影方向でも病変が根管中央に留まることが鑑別点です。
- 治療は、吸収組織を除去する抜 髄・根管治療です。