115A071|第115回 歯科医師国家試験 過去問
右側顎関節部の開口時痛を有する患者の右側顎関節部MRI (別冊No. 27 )を別に 示す。 認められる所見はどれか。 2つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
顎関節MRIでは、関節円板の位置と開口時の復位の有無、T2強調像における関節液の高信号を確認します。
解説
閉口時画像では、低信号の関節円板が下顎頭の前方に位置しています。さらに開口時にも円板が下顎頭と関節結節の間へ戻らず、前方に残っています。これは非復位性関節円板前方転位です。
また、脂肪抑制T2強調像では上関節腔に高信号域がみられます。液体はT2強調像で高信号を示すため、これは上関節腔の滑液貯留、すなわち関節液増加を示します。開口時痛は、関節内の炎症と関連します。
MRIで見るポイント
関節円板は低信号の薄い構造として確認します。閉口時に前方転位していても、開口時に正常位置へ戻れば復位性、戻らなければ非復位性です。T2強調像の明るい液体信号は関節液貯留を示します。
画像の確認
実画像では、閉口時MRIで関節円板に相当する低信号構造が下顎頭前方に位置し、上関節腔には液体を示す高信号域がみられる。開口時にも円板は下顎頭と関節隆起の間へ復位せず前方に残っている。関節液貯留と非復位性前方転位を示すため、d、eが正答となる。
選択肢の確認
a.関節円板穿孔
誤り。
関節円板穿孔は円板の連続性欠如や上下関節腔の交通などを評価しますが、提示画像から明確な穿孔所見は示されていません。
b.下顎頭の骨棘形成
誤り。
骨棘は下顎頭辺縁の骨性突出です。提示画像では、正答となる明らかな骨棘形成は認められません。
c.下顎頭の骨髄浮腫
誤り。
骨髄浮腫は脂肪抑制T2強調像で下顎頭骨髄内の高信号として評価します。提示画像では、関節腔内の液体信号が中心であり、下顎頭骨髄浮腫が正答となる所見ではありません。
d.上関節腔の滑液貯留
正しい。
脂肪抑制T2強調像で上関節腔に高信号域がみられ、関節液の増加を示します。疼痛を伴う炎症性変化と関連します。
e.非復位性関節円板前方転位
正しい。
閉口時に円板が前方転位し、開口時にも下顎頭上へ復位していません。このため非復位性関節円板前方転位と判断します。
覚えるポイント
- 円板前方転位は、閉口時と開口時の両方を比較して復位の有無を判断します。
- T2強調像で関節腔内が明るい場合は関節液貯留を考えます。
- 非復位性転位では、開口制限や開口時痛を伴うことがあります。