115A068第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

62 歳の女性。上顎右側第二大臼歯の咬合痛を主訴として来院した。 6か月前に 治療を受けていたが、途中で放置していたところ、 2日前から自覚するようになっ たという。診断をした結果、感染根管治療を行うこととした。初診時のエックス線 画像 (別冊No. 24A と治療中の口腔内写真 (別冊No. 24B を別に示す。 根管口を明示するのに切削すべき部位はどれか。 2つ選べ。

115A068の問題画像
2つ選択
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正解: a・d

正答

a、d

この問題のポイント

上顎第二大臼歯の感染根管治療では、髄室床の色調と発育溝を手掛かりに根管口を探し、根管口を覆う象牙質の張り出しを選択的に除去します。

解説

エックス線画像では上顎右側第二大臼歯が根管治療途中で、口腔内写真では髄室床が露出しています。根管口を明示するためには、髄室床そのものを深く削るのではなく、髄室壁から張り出して根管口を隠している象牙質を除去します。

写真では、アとエに根管口を覆う残存象牙質の張り出しがみられます。これらを切削すると、根管口の位置と根管への直線的な進入路が得やすくなります。

髄室床は壁より暗い色を呈し、根管口は髄室床と壁の移行部や発育溝の終点に存在することが多いという法則を利用します。無計画に髄室床中央を深く削ると、穿孔や歯質の過剰切削につながります。

医療安全上のポイント
根管口探索では、拡大視野、十分な照明、術前エックス線画像、髄室床の色調差を利用します。歯の長軸と根形態を確認し、穿孔を避けます。

画像の確認

実画像では、上顎大臼歯の髄腔開拡後の髄床底が拡大され、ア〜オの位置が示されている。アとエには根管口へ向かう連続線上を覆う象牙質の張り出しが残り、中央の髄床底とは異なる形態にみえる。このため、根管口を明示するために削除する部位としてア、エを選ぶ根拠になる。

選択肢の確認

a.ア
正しい。
アは根管口の上方を覆う象牙質の張り出しに相当します。ここを選択的に切削することで、根管口が明瞭になります。

b.イ
誤り。
イは髄室床中央寄りで、根管口を隠す張り出しの除去部位ではありません。ここを深く切削すると、髄室床の過剰切削や穿孔の危険があります。

c.ウ
誤り。
ウは写真上、根管口を明示するために除去すべき残存象牙質の位置とは一致しません。根管口探索では壁と床の移行部を優先します。

d.エ
正しい。
エにも根管口を覆う象牙質の張り出しがあり、これを除去することで根管口と進入方向を確認しやすくなります。

e.オ
誤り。
オは根管口を覆う主な張り出しではありません。必要以上に切削すると健全歯質を失うため、アとエを選択的に除去します。

覚えるポイント

  • 髄室床は壁より暗く、根管口は壁と床の移行部や発育溝の終点にあります。
  • 根管口を隠す象牙質の張り出しを除去し、直線的アクセスを確保します。
  • 髄室床中央を無計画に深く削らないことが穿孔予防につながります。

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