38PM70|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
遠心ポンプについて正しいのはどれか。 a.人工心肺停止時には送血回路を鉗子で遮断し血液逆流を防ぐ。 b.離脱前の低流量時には回転数による流量制御が困難である。 c.冷却時に流量を維持するには回転数を上げる必要がある。 d.人工心肺運転中の送血回路の遮断は禁忌である。 e.誤って空気を体内に送り込むことはない。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、人工心肺で用いられる遠心ポンプの特性が問われています。
遠心ポンプは、回転する羽根車による遠心力で血液を送り出すポンプです。流量は回転数だけでなく、前負荷・後負荷・血液粘稠度にも影響されます。
小項目の正誤は次のように整理します。
- a:正しい
- b:正しい
- c:正しい
- d:誤り
- e:誤り
したがって、a、b、cを含む選択肢1が正答です。
解説
遠心ポンプは、ローラポンプと異なり、完全な定量ポンプではありません。回転数を一定にしても、脱血状態、送血圧、回路抵抗、血液粘稠度などで流量が変化します。
人工心肺停止時には、送血回路を開放したままにすると、患者側から回路側へ血液が逆流する危険があります。そのため、送血回路を鉗子で遮断し、逆流を防ぐ必要があります。
離脱前の低流量時には、わずかな圧変化や回路条件の変化で流量が大きく変わりやすく、回転数のみで細かく流量を制御するのは難しくなります。
冷却時には血液粘稠度が上昇し、同じ回転数でも流量が低下しやすくなります。そのため、流量を維持するには回転数を上げる必要が生じることがあります。
一方、人工心肺運転中の送血回路遮断を「禁忌」と断定するのは不適切です。ローラポンプでは送血回路閉塞時に圧が急上昇して危険ですが、遠心ポンプでは後負荷が増えると流量が低下する特性があります。ただし、遮断操作は危険を伴うため、圧、流量、溶血、発熱などに注意が必要です。
また、遠心ポンプでも空気が混入すれば空気塞栓の危険があります。「誤って空気を体内に送り込むことはない」とは言えません。
人工心肺管理でのポイント
遠心ポンプは後負荷依存性があり、回転数だけで流量が決まりません。流量計、圧モニタ、脱血状態、気泡検出を確認しながら管理します。
臨床工学技士としての注意点
遠心ポンプでは、逆流防止、空気混入防止、低流量時の制御、血液粘稠度変化、回路遮断時の圧変化を理解して操作します。
選択肢の確認
1.正しい。
選択肢1はa、b、cの組合せです。人工心肺停止時の逆流防止、低流量時の流量制御困難、冷却時の回転数上昇はいずれも遠心ポンプの特徴として正しいです。
2.誤り。
選択肢2はa、b、eの組合せです。aとbは正しいですが、eが誤りです。遠心ポンプでも空気を体内へ送る危険があります。
3.誤り。
選択肢3はa、d、eの組合せです。aは正しいですが、dとeが誤りです。
4.誤り。
選択肢4はb、c、dの組合せです。bとcは正しいですが、dが誤りです。
5.誤り。
選択肢5はc、d、eの組合せです。cは正しいですが、dとeが誤りです。
覚えるポイント
- 遠心ポンプは回転数だけでなく、前負荷・後負荷に影響されます。
- 停止時には逆流防止のため送血回路を遮断します。
- 低流量時は回転数による細かな流量制御が難しくなります。
- 冷却時は血液粘稠度上昇により、流量維持に回転数上昇が必要になることがあります。
- 遠心ポンプでも空気混入・空気塞栓には注意が必要です。