38PM52第38回 臨床工学技士国家試験 過去問

電気電子工学直流・交流回路RLC回路・時定数・フィルタ・インピーダンス

図の回路で遮断周波数[Hz]に最も近いのはどれか。 ただし、Aは理想演算増幅器とする。

38PM52の問題画像
解答・解説を見る

正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、理想演算増幅器を用いた反転形アクティブローパスフィルタの遮断周波数を求めます。

図を見ると、反転入力端子側に

  • 入力抵抗:100 Ω
  • 帰還抵抗:1 kΩ
  • 帰還容量:1 μF

があります。

遮断周波数は、帰還側の1 kΩ抵抗1 μFキャパシタで決まります。

解説

図の回路では、非反転入力端子「+」は接地されています。理想演算増幅器に負帰還がかかっているため、反転入力端子「−」は仮想接地として扱えます。

反転増幅回路の基本形では、利得は次のように表されます。

  • Av = - Zf / Rin

ここで、

  • Rin = 100 Ω
  • Zf:帰還インピーダンス

図では、帰還側に1 kΩの抵抗と1 μFのキャパシタが並列に入っています。

低周波では、キャパシタのインピーダンスが大きいため、主に1 kΩ抵抗で帰還が決まります。このときの低周波利得は、

  • |Av| = 1 kΩ / 100 Ω
  • |Av| = 10

となります。

一方、高周波になると、キャパシタのインピーダンスが小さくなり、帰還インピーダンスが下がります。そのため、利得が低下します。つまり、この回路は低域を通し、高域を減衰させるローパスフィルタです。

1次ローパスフィルタの遮断周波数は、帰還抵抗RfとキャパシタCから次の式で求めます。

  • fc = 1 / (2π Rf C)

図から、

  • Rf = 1 kΩ = 1.0 × 10^3 Ω
  • C = 1 μF = 1.0 × 10^-6 F

なので、

  • Rf C = 1.0 × 10^3 × 1.0 × 10^-6
  • Rf C = 1.0 × 10^-3 s

したがって、

  • fc = 1 / (2π × 1.0 × 10^-3)
  • fc ≒ 1 / 0.00628
  • fc ≒ 159 Hz

最も近い選択肢は160 Hzです。

図で見るポイント
遮断周波数を決めるのは、帰還側で並列に入っている1 kΩと1 μFです。入力側の100 Ωは低周波利得を決める要素ですが、遮断周波数の計算には使いません。

ひっかけポイント
入力抵抗100 Ωを使って fc = 1 / (2πRC) を計算すると、約1600 Hzになってしまいます。しかし、この回路の遮断周波数は帰還側の1 kΩと1 μFで決まります。

選択肢の確認

1.正しい。
帰還抵抗1 kΩとキャパシタ1 μFから、fc = 1 / (2π × 1 kΩ × 1 μF) ≒ 160 Hzとなります。

2.誤り。
320 Hzは、時定数や係数を誤って扱った場合に近い値です。2πを含めて計算すると約160 Hzです。

3.誤り。
1000 Hzは、RCの組合せや単位換算を誤った場合に出やすい値です。1 kΩと1 μFの積は1.0 × 10^-3 sです。

4.誤り。
1600 Hzは、入力抵抗100 Ωと1 μFを使って計算した場合に近い値です。この問題では帰還側の1 kΩを使います。

5.誤り。
3200 Hzは、抵抗値や2πの扱いをさらに誤った場合に近い値です。図の帰還抵抗1 kΩを用いると160 Hz程度です。

覚えるポイント

  • 反転増幅回路では Av = -Zf / Rin です。
  • この回路は帰還側にRとCが並列に入ったアクティブローパスフィルタです。
  • 遮断周波数は fc = 1 / (2π Rf C) で求めます。
  • Rf = 1 kΩ、C = 1 μFなら、fc ≒ 160 Hzです。
  • 入力抵抗100 Ωは主に低周波利得を決め、遮断周波数は帰還側のRとCで決まります。

関連問題

38PM5138PM53
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)