38AM48|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
図の回路で、スイッチ SW を閉じた瞬間に流れる電流 I[A]はどれか。 ただし、キャパシタの初期電圧は 0 V とする。

解答・解説を見る
正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、スイッチを閉じた瞬間のキャパシタのふるまいが問われています。
キャパシタの初期電圧が 0 V のとき、スイッチを閉じた直後は、キャパシタの両端電圧はすぐには変化できません。
そのため、閉じた瞬間のキャパシタは短絡、つまり導線のように扱うことができます。
図で見るポイント
図では、右側の枝に 1.0 μF のキャパシタと 30 Ω 抵抗が直列に入っています。閉じた瞬間はキャパシタを短絡として考えるため、右側の枝は実質的に 30 Ω 抵抗だけになります。
解説
キャパシタには、次の重要な性質があります。
- キャパシタの電圧は瞬時には変化しない
- 初期電圧が 0 V なら、スイッチを閉じた瞬間もキャパシタ電圧は 0 V
- したがって、閉じた瞬間のキャパシタは短絡として扱う
この回路では、スイッチを閉じた瞬間、右側のキャパシタは短絡とみなせます。
すると、右側の枝は 30 Ω 抵抗だけになります。
中央の枝にも 30 Ω 抵抗があります。
したがって、中央の 30 Ω と右側の 30 Ω は並列接続です。
並列合成抵抗を求めます。
- 1 / R = 1 / 30 + 1 / 30
- 1 / R = 2 / 30
- R = 15 Ω
つまり、中央と右側を合わせた負荷抵抗は 15 Ωです。
左側には、電源 9.0 V と直列に 15 Ω 抵抗があります。
したがって、回路全体では、
- 左側の 15 Ω
- 並列合成された 15 Ω
が直列になります。
全抵抗は、
- R全体 = 15 + 15
- R全体 = 30 Ω
電源から流れる全電流は、
- I全体 = V / R全体
- I全体 = 9.0 / 30
- I全体 = 0.30 A
この 0.30 A は、中央の 30 Ω と右側の 30 Ω に分かれます。
2つの枝の抵抗値は同じ 30 Ω なので、電流は等しく分流します。
- 右側の電流 I = 0.30 / 2
- I = 0.15 A
したがって、スイッチを閉じた瞬間に図の I として流れる電流は0.15 Aです。
ひっかけポイント
キャパシタは、直流回路で「常に開放」と考えるわけではありません。
閉じた瞬間は短絡、十分時間が経過した後は開放として考えます。
計算の流れ
- 初期電圧 0 V のキャパシタを短絡とみなす
- 中央 30 Ω と右側 30 Ω の並列合成を求める
- 左側 15 Ω と直列にして全抵抗を求める
- 電源電流を求める
- 等しい 30 Ω に分流するので、右側電流を半分にする
選択肢の確認
1.誤り。
0 A は、十分時間が経過してキャパシタが充電され、右側枝が開放状態になった後の考え方に近い値です。問題はスイッチを閉じた瞬間なので、キャパシタは短絡として扱います。
2.誤り。
0.10 A にはなりません。閉じた瞬間は、中央 30 Ω と右側 30 Ω が並列になり、その合成抵抗は 15 Ω です。電流分配まで考える必要があります。
3.正しい。
閉じた瞬間、キャパシタは短絡です。中央 30 Ω と右側 30 Ω の並列合成は 15 Ω、これに左側 15 Ω が直列となり、全抵抗は 30 Ω です。全電流 0.30 A が2本の同じ 30 Ω 枝に等分されるため、右側の電流 I は 0.15 A です。
4.誤り。
0.20 A は、抵抗の合成や分流を誤った場合に選びやすい値です。この回路では全電流は 0.30 A ですが、図の I は右側枝だけの電流なので、0.30 A の半分になります。
5.誤り。
0.60 A は、9.0 V を 15 Ω だけで割った値です。しかし、左側の 15 Ω だけでなく、中央と右側の並列合成抵抗 15 Ω も直列に加わるため、全抵抗は 30 Ω になります。
覚えるポイント
- キャパシタの電圧は瞬時には変化しません。
- 初期電圧 0 V のキャパシタは、スイッチ投入直後には短絡として扱います。
- 十分時間が経過した直流定常状態では、キャパシタは開放として扱います。
- 同じ抵抗値の並列枝では、電流は等しく分流します。
- この回路では、閉じた瞬間の右側電流は 0.15 Aです。