38AM47第38回 臨床工学技士国家試験 過去問

電気電子工学電磁気・電磁波磁気シールド・導体間力・電磁波速度

磁化されていない強磁性体に磁界を加え変化させたところ、磁性体内の磁束密度が図の点 A、B、C、D、E、B の順に変化した。残留磁束密度を示す点はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、強磁性体のB-H曲線、すなわちヒステリシス曲線における各点の意味が問われています。

残留磁束密度とは、強磁性体をいったん磁化したあと、磁界 H を 0 に戻しても残っている磁束密度 Bのことです。

図で見るポイント
横軸は磁界 H、縦軸は磁束密度 Bです。点Aから磁界を強くすると点Bに向かい、その後、磁界を0に戻しても磁束密度は0に戻らず、点Cに残ります。この点Cが残留磁束密度を示します。

解説

強磁性体では、磁界を加えると磁束密度が増加します。
しかし、磁界を弱めても、磁束密度は加えたときと同じ経路では戻りません。

このように、磁化の履歴によって磁束密度の値が変わる現象をヒステリシスといいます。

図の変化は、次のように読み取ります。

  • 点A:磁化されていない初期状態
  • 点B:正方向に強く磁化された状態、ほぼ飽和磁束密度
  • 点C:磁界 H を 0 に戻しても残っている磁束密度
  • 点D:逆向きの磁界により磁束密度 B が 0 になった点
  • 点E:負方向に強く磁化された状態、負の飽和磁束密度

残留磁束密度は、いったん磁化したあとに磁界を 0 にしたとき、材料内部に残る磁束密度です。

図では、点Bまで磁化したあと、磁界を減少させて H = 0 になった位置が点Cです。
したがって、残留磁束密度を示す点はCです。

ひっかけポイント
残留磁束密度は「磁束密度 B が 0 になる点」ではありません。
磁界 H が 0 のときに残っている磁束密度です。
磁束密度 B が 0 になる点Dは、残留磁束密度ではなく保磁力に関係します。

選択肢の確認

1.誤り。
点Aは、磁化されていない初期状態を示します。残留磁束密度は、いったん磁化したあとに磁界を 0 に戻したときの磁束密度なので、点Aではありません。

2.誤り。
点Bは、正方向に強く磁化された状態です。飽和磁束密度に近い点ですが、磁界 H は 0 ではありません。残留磁束密度ではありません。

3.正しい。
点Cは、点Bまで磁化したあと、磁界 H を 0 に戻したときに残っている磁束密度を示します。これが残留磁束密度です。

4.誤り。
点Dは、逆向きの磁界を加えて磁束密度 B が 0 になった点です。このときの磁界の大きさは保磁力に関係します。残留磁束密度ではありません。

5.誤り。
点Eは、負方向に強く磁化された状態です。負の飽和磁束密度に近い点であり、残留磁束密度ではありません。

覚えるポイント

  • 強磁性体のB-H曲線では、磁化の履歴が残るためヒステリシスが生じます。
  • 残留磁束密度は、磁界 H を 0 にしても残る磁束密度 B です。
  • 図では、H = 0 の位置で磁束密度が正に残っている点Cが残留磁束密度です。
  • 磁束密度 B を 0 にするために必要な逆向きの磁界は保磁力です。
  • 国家試験では、残留磁束密度はB軸上の点、保磁力はH軸上の点として整理すると判別しやすくなります。

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