37PM73|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺を用いた体外循環時に大動脈解離が発生した場合の対応で誤っているのはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、人工心肺を用いた体外循環中に大動脈解離が発生した場合の対応が問われています。
大動脈解離では、大動脈壁の内膜が裂け、血液が中膜内に入り込んで偽腔を形成します。
体外循環中に大動脈解離が疑われた場合は、解離の進展を防ぎ、真腔への確実な送血と臓器灌流の維持を優先します。
この問題では「誤っている対応」を選びます。
解説
体外循環中に大動脈解離が起こると、送血カニューレからの血流が偽腔に入ることがあります。
偽腔へ送血されると、次のような危険があります。
- 解離の進展
- 真腔の圧排
- 脳・冠動脈・腎臓・腹部臓器などの灌流障害
- 大動脈破裂
- 出血
- 循環不全
そのため、大動脈解離が疑われた場合には、送血圧を上げるのではなく、送血条件を見直し、解離を進展させない対応が重要です。
送血圧を上げると、解離腔への血流が増加し、偽腔拡大や破裂のリスクが高まります。したがって、選択肢2が誤った対応です。
適切な対応としては、上行大動脈の色調や拍動、送血圧、回路圧、臓器灌流状態を確認し、経食道心臓超音波検査で真腔・偽腔やカニューレ位置を評価します。必要に応じて、送血カニューレを真腔へ入れ直します。
また、送血温を下げることは、低体温により代謝を抑え、臓器保護を図る対応として考えられます。
臨床工学技士としての注意点
体外循環中の大動脈解離では、送血圧、送血流量、脱血状態、回路圧、脳酸素飽和度、尿量、血液ガス、TEE所見を総合的に確認します。送血圧をむやみに上げると、解離を悪化させる危険があります。
選択肢の確認
1.対応としては適切です。
送血温を下げることで、低体温による代謝抑制と臓器保護を図ることがあります。解離発生時の対応として考えられます。
2.正答。対応としては誤り。
送血圧を上げると、偽腔への送血や解離の進展を助長する危険があります。大動脈解離が発生した場合に行うべき対応ではありません。
3.対応としては適切です。
送血カニューレが偽腔に入っている場合は、真腔へ入れ直す必要があります。真腔送血により臓器灌流を確保します。
4.対応としては適切です。
上行大動脈の色調変化、拍動、膨隆などは解離や灌流異常を疑う手がかりになります。術野での確認は重要です。
5.対応としては適切です。
経食道心臓超音波検査、TEEにより、真腔・偽腔、解離の範囲、カニューレ位置、心機能などを評価できます。
覚えるポイント
- 体外循環中の大動脈解離では、偽腔送血と臓器灌流障害に注意します。
- 送血圧を上げると解離を進展させる危険があります。
- 真腔への送血確保が重要です。
- 上行大動脈の色調やTEE所見を確認します。
- 送血温を下げて臓器保護を図ることがあります。