37PM72|第37回 臨床工学技士国家試験 過去問
V-A ECMO について正しいのはどれか。 a.灌流量の増加によって左室後負荷が軽減される。 b.脱血不良が発生すると脱血回路内圧は上昇する。 c.ガス交換膜に結露が発生した場合には人工肺の緊急交換を要する。 d.遠心ポンプ駆動停止時には鉗子で回路を遮断する。 e.人工肺に血栓による部分閉塞が発生すると人工肺前の回路内圧が上昇する。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、V-A ECMOの循環特性、回路トラブル、ポンプ停止時対応が問われています。
正しい小項目は、dとeです。
- d.遠心ポンプ駆動停止時には鉗子で回路を遮断する。
- e.人工肺に血栓による部分閉塞が発生すると人工肺前の回路内圧が上昇する。
解説
V-A ECMOは、静脈から脱血し、人工肺でガス交換を行った血液を動脈へ送血する補助循環法です。呼吸補助に加えて循環補助も行えます。
V-A ECMOでは、動脈へ送血するため、送血流量が増えると大動脈圧が上がり、左室後負荷が増加することがあります。したがって、灌流量増加により左室後負荷が軽減されるという記述は不適切です。
脱血不良が起こると、ポンプが十分な血液を引けなくなります。脱血回路内はより強い陰圧になりやすく、圧が上昇するのではなく、さらに低下する方向になります。脱血カニューレの位置、循環血液量、カニューレの閉塞、患者体位などを確認します。
人工肺のガス交換膜に結露が発生することはありますが、結露があるだけで直ちに人工肺の緊急交換を要するとは限りません。ガス交換能や圧力損失、血栓、血漿漏出などを総合的に評価します。
遠心ポンプは非閉塞性であり、ポンプが停止すると回路内で逆流が起こる危険があります。そのため、遠心ポンプ駆動停止時には鉗子で回路を遮断します。
人工肺に血栓による部分閉塞が起こると、血液が人工肺を通過しにくくなります。その結果、人工肺前の回路内圧が上昇します。人工肺前後の圧較差の増大は、人工肺閉塞や血栓形成を疑う重要な所見です。
臨床工学技士としての注意点
V-A ECMOでは、流量、回転数、脱血圧、送血圧、人工肺前後圧、SpO₂、血液ガス、抗凝固、血栓、気泡、逆流を常に確認します。ポンプ停止時のクランプ操作は緊急対応として重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。V-A ECMOの灌流量増加では左室後負荷が増えることがあり、脱血不良では脱血回路内圧は上昇ではなく陰圧が強くなりやすいです。
2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。eは正しいですが、aが不適切です。V-A ECMOの送血は左室後負荷を軽減するとは限らず、むしろ増加させることがあります。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。どちらも不適切です。脱血不良では脱血圧はより陰圧になり、結露だけで人工肺の緊急交換を要するとは限りません。
4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。dは正しいですが、cが不適切です。結露は注意すべき所見ですが、人工肺交換はガス交換能低下や圧力損失増大などを含めて判断します。
5.正しい。
選択肢5はd、eの組合せです。遠心ポンプ停止時には逆流防止のため回路を遮断し、人工肺に血栓性閉塞が起こると人工肺前圧が上昇します。
覚えるポイント
- V-A ECMOは静脈脱血、人工肺、動脈送血で循環補助を行います。
- V-A ECMOでは、送血により左室後負荷が増えることがあります。
- 脱血不良では脱血回路内圧はより陰圧になりやすいです。
- 遠心ポンプ停止時は逆流防止のため回路を鉗子で遮断します。
- 人工肺血栓では人工肺前圧上昇、圧較差増大に注意します。