37AM70第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

体外循環・補助循環人工心肺ローラ/遠心ポンプ・心筋保護・臓器循環・人工肺

人工心肺について正しいのはどれか。 a.シリコーン膜は酸素よりも二酸化炭素の透過性が高い。 b.ポリプロピレン膜はシリコーン膜よりも強度が優れている。 c.多孔質膜では血液と酸素ガスが直接接触しない。 d.内部灌流型は外部灌流型よりも血液が乱流になりやすい。 e.外部灌流型は内部灌流型よりも圧力損失が大きい。

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正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、人工心肺に用いられる膜型人工肺の膜材料と血液灌流方式が問われています。

正しい小項目は、aとbです。

  • a.シリコーン膜は酸素よりも二酸化炭素の透過性が高い。
  • b.ポリプロピレン膜はシリコーン膜よりも強度が優れている。

解説

人工心肺では、人工肺により血液へ酸素を加え、二酸化炭素を除去します。現在は主に膜型人工肺が用いられます。

膜型人工肺では、血液とガスを膜で隔て、膜を介してガス交換を行います。膜材料や膜構造により、ガス透過性、耐久性、血液適合性、圧力損失が異なります。

シリコーン膜は均質膜であり、ガス透過性をもちます。一般に二酸化炭素は酸素よりも拡散しやすく、シリコーン膜でも酸素より二酸化炭素の透過性が高いとされます。

ポリプロピレン膜は多孔質膜として用いられ、中空糸構造にしやすく、シリコーン膜より機械的強度に優れます。そのため人工肺の小型化や高効率化に寄与します。

一方、多孔質膜では膜に微細孔があり、血液とガスが膜孔を介して接する界面が存在します。長時間使用では血漿漏出などが問題になります。そのため、「血液と酸素ガスが直接接触しない」と単純にはいえません。

血液灌流方式では、内部灌流型は中空糸の内側を血液が流れます。流路が細く、層流になりやすく、圧力損失が大きくなりやすい特徴があります。外部灌流型は中空糸の外側を血液が流れ、乱流や二次流を利用しやすく、ガス交換効率の向上が期待されます。

臨床工学技士としての注意点
人工心肺管理では、人工肺のガス交換能、圧力損失、血液損傷、気泡、血栓、血漿漏出、吹送ガス条件を確認します。膜材料と灌流方式の特徴は、回路管理とトラブル対応に直結します。

選択肢の確認

1.正しい。
選択肢1はa、bの組合せです。シリコーン膜は酸素より二酸化炭素の透過性が高く、ポリプロピレン膜はシリコーン膜より強度に優れます。

2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。aは正しいですが、eが誤りです。外部灌流型が内部灌流型より圧力損失が大きいとはいえません。内部灌流型では細い中空糸内を血液が流れるため、圧力損失が大きくなりやすいです。

3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。bは正しいですが、cが誤りです。多孔質膜では微細孔を介して血液とガスの界面が存在し、完全に直接接触しないとはいえません。

4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。cもdも誤りです。乱流になりやすいのは、血液が中空糸外側を流れる外部灌流型で考えます。

5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。dとeはいずれも不適切です。外部灌流型は血液が乱れやすく、内部灌流型は圧力損失が大きくなりやすいと整理します。

覚えるポイント

  • 人工肺では、膜を介して酸素付加と二酸化炭素除去を行います。
  • シリコーン膜では、酸素より二酸化炭素の透過性が高いです。
  • ポリプロピレン膜は、シリコーン膜より機械的強度に優れます
  • 多孔質膜では、微細孔により血液とガスの界面が問題になります。
  • 内部灌流型は圧力損失、外部灌流型は血流の乱れやガス交換効率と関連づけて覚えます。

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