37AM73第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

体外循環・補助循環人工心肺ローラ/遠心ポンプ・心筋保護・臓器循環・人工肺

人工心肺を用いた体外循環中のモニタリングとその対応について正しいのはどれか。 a.ACT が 1000 秒を超えたのでプロタミンを投与した。 b.PaO₂ が目標値より高かったので人工肺吹送ガスの流量を下げた。 c.SvO₂ が目標値より低かったので送血灌流量を上げた。 d.PaCO₂ が目標値より高かったので人工肺吹送ガスの流量を上げた。 e.心停止中の動脈圧が 100 mmHg であったので血管収縮薬を投与した。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、人工心肺を用いた体外循環中のモニタリング値と対応が問われています。

正しい小項目は、cとdです。

  • c.SvO₂が低い場合は、酸素供給不足を考えて送血灌流量を上げる。
  • d.PaCO₂が高い場合は、人工肺吹送ガス流量を上げる。

解説

体外循環中は、人工肺とポンプが心肺機能を代行します。そのため、血液ガス、灌流量、圧、抗凝固、体温、酸素需給を連続的に評価します。

PaO₂は、主に人工肺へ送る吹送ガスの酸素濃度、つまりFIO₂の影響を受けます。PaO₂が高すぎる場合は、吹送ガス流量を下げるよりも、酸素濃度を調整する考え方が基本です。

PaCO₂は、人工肺の換気に相当する吹送ガス流量の影響を強く受けます。PaCO₂が高い場合は、CO₂除去を増やすために吹送ガス流量を上げます。

SvO₂は全身の酸素供給と酸素消費のバランスを反映します。SvO₂が低い場合は、送血灌流量不足、貧血、酸素化不良、体温上昇、代謝亢進などを考えます。対応として送血灌流量を上げることは適切です。

ACTは体外循環中の抗凝固管理に重要です。ACTが高いからといって、体外循環中にプロタミンを投与すると回路内凝固の危険があります。プロタミンは通常、体外循環終了後にヘパリンを中和する目的で使用します。

心停止中の動脈圧が100 mmHgと高い場合、血管収縮薬を投与してさらに圧を上げる対応は不適切です。高灌流圧では送血流量、血管抵抗、麻酔深度、温度、薬剤などを確認します。

臨床工学技士としての注意点
体外循環中は、PaO₂は主にFIO₂、PaCO₂は主に吹送ガス流量、SvO₂は酸素需給バランスと関連づけて考えます。ACT管理では、回路内凝固と出血の両方を意識します。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。aは不適切です。体外循環中にACTが高いからといってプロタミンを投与すると、回路内凝固の危険があります。bも不適切で、PaO₂が高い場合は主に吹送ガスの酸素濃度を下げる方向で考えます。

2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。aもeも不適切です。プロタミン投与は体外循環終了後のヘパリン中和で行い、動脈圧が高い状態で血管収縮薬を投与するのは適切ではありません。

3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。cは正しいですが、bが不適切です。PaO₂は吹送ガス流量ではなく、主に吹送ガス酸素濃度で調整します。

4.正しい。
選択肢4はc、dの組合せです。SvO₂低下に対して送血灌流量を上げる対応、PaCO₂上昇に対して人工肺吹送ガス流量を上げる対応はいずれも適切です。

5.誤り。
選択肢5はd、eの組合せです。dは正しいですが、eが不適切です。心停止中の動脈圧100 mmHgに対して血管収縮薬を投与する対応は不適切です。

覚えるポイント

  • PaO₂は主に吹送ガス酸素濃度で調整します。
  • PaCO₂は主に吹送ガス流量で調整します。
  • SvO₂低下では、送血灌流量不足や酸素供給不足を考えます。
  • ACT管理では、体外循環中の回路内凝固を防ぐことが重要です。
  • プロタミンは通常、体外循環終了後にヘパリンを中和する目的で使用します。

関連問題

37AM7237AM74
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)