37AM85第37回 臨床工学技士国家試験 過去問

生体物性・医用材料生体電気・材料基礎膜電位・能動輸送・血液凝固・高分子材料

細胞の興奮における細胞膜電位の変化を下図に示す。オーバーシュートによる電位変化はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、細胞の興奮時にみられる活動電位の各相と、オーバーシュートの意味が問われています。

オーバーシュートとは、活動電位の脱分極が進み、膜電位が0 mVを超えて正の値になる部分をいいます。

図では、0 mVから活動電位のピークまでの正の電位部分が C で示されています。

図で見るポイント
縦軸は膜電位[mV]、横軸は時間[ms]です。静止膜電位は約−60 mV、閾値は約−40 mV、活動電位のピークは約+20 mVです。オーバーシュートは、膜電位が0 mVを超えて+側に入った部分です。

解説

細胞が興奮すると、膜電位は静止膜電位から急速に上昇します。この上昇を脱分極といいます。

神経細胞や筋細胞では、刺激が閾値を超えると電位依存性Na⁺チャネルが開き、Na⁺が細胞内へ流入します。その結果、膜電位は急速に上昇し、0 mVを超えて一時的に正の値になります。

この0 mVを超えた正の電位領域がオーバーシュートです。

その後、Na⁺チャネルの不活性化とK⁺チャネルの開口により、K⁺が細胞外へ流出します。膜電位は再び低下し、再分極、さらに一時的な過分極を経て静止膜電位へ戻ります。

図のラベルを整理すると、Cは0 mVからピーク付近までの正の膜電位変化を示しています。したがって、オーバーシュートによる電位変化はCです。

ひっかけポイント
オーバーシュートは「静止膜電位からピークまで」ではありません。0 mVを超えて正になった部分だけを指します。

選択肢の確認

1.誤り。
Aは、静止膜電位付近から活動電位ピーク付近までの大きな電位差を示しています。これは活動電位全体の振幅に近い見方であり、オーバーシュートそのものではありません。

2.誤り。
Bは、閾値付近から活動電位ピーク付近までの電位変化を示しています。閾値を超えて脱分極が進む部分を含みますが、0 mV以下の部分も含むため、オーバーシュートだけを表していません。

3.正しい。
Cは、0 mVから活動電位のピークまでの正の電位部分を示しています。膜電位が0 mVを超えて正になる変化であり、オーバーシュートに該当します。

4.誤り。
Dは、閾値付近から静止膜電位付近までの電位差を示しています。これは閾値と静止膜電位の差に関係する部分であり、オーバーシュートではありません。

5.誤り。
Eは、静止膜電位よりさらに低くなる部分を示しています。これは過分極に関係する部分であり、オーバーシュートとは反対に負の方向への変化です。

覚えるポイント

  • オーバーシュートは、膜電位が0 mVを超えて正になる部分です。
  • 活動電位の急速な立ち上がりは、主にNa⁺流入による脱分極です。
  • 再分極は、主にK⁺流出によって起こります。
  • 静止膜電位より低くなる部分は過分極です。
  • 図の問題では、0 mV、閾値、静止膜電位、ピークの位置を順に確認します。

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