8PM138第8回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-05 トラウマ・ストレス関連症

25歳の男性A、看護師。心身の不調を訴え、精神科の外来を受診した。Aによると、1か月前に勤めている総合病院で配置転換があり、救命救急センターに異動になった。3週間前の深夜、重度の熱傷のために搬入された患者Bを担当した際、その悲惨な状態に強いショックを受けた。幸いBは一命を取り留めたが、その後、Aは治療中のBの記憶がふとよみがえったり、悪夢を見たりするようになった。退勤後も十分に眠れない日が多くなり、仕事に集中できないため、いらいらすることも増えた。救命救急センターでの業務が苦痛に感じられ、特に夜勤には行きたくないという気持ちが強まっている。 ``` Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 4


## 正答

4

## この問題のポイント

この問題では、外傷的出来事を体験した後に、侵入症状、睡眠障害、過覚醒、回避がみられている事例から、**急性ストレス障害**を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「3週間前」「悲惨な状態に強いショック」「記憶がふとよみがえる」「悪夢」「眠れない」「いらいら」「夜勤に行きたくない」です。

## 解説

Aは救命救急センターに異動後、重度熱傷の患者Bを担当し、その悲惨な状態に強いショックを受けています。その後、治療中のBの記憶がよみがえる、悪夢を見る、眠れない、集中できない、いらいらする、夜勤を避けたいという症状が出ています。

これらは、外傷的出来事の後に生じる侵入症状、過覚醒、睡眠障害、回避症状として理解できます。

発症からの期間が重要です。本事例では、出来事から3週間後の状態です。外傷後3日以上1か月以内に症状がみられる場合、急性ストレス障害が考えられます。

心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉は、通常、症状が1か月を超えて持続する場合に検討されます。したがって、本問では急性ストレス障害が最も適切です。

> トラウマケアのポイント
> トラウマ関連症状では、出来事の内容、症状の種類、期間、回避、過覚醒、生活への支障を整理します。支援では安全確保と安定化を優先します。

## 選択肢の確認

1.全般不安症
判定:適切とはいえない。
全般不安症は、多くの出来事や活動について過剰な不安や心配が持続する状態です。本事例では、重度熱傷患者を担当した外傷的出来事の後に症状が出ているため、急性ストレス障害が適切です。

2.広場恐怖症
判定:適切とはいえない。
広場恐怖症は、逃げられない、助けが得られないと感じる場所や状況への恐怖・回避が中心です。本事例では救命救急場面での外傷的記憶と再体験が中心です。

3.限局性恐怖症
判定:適切とはいえない。
限局性恐怖症は、特定の対象や状況への強い恐怖が中心です。Aの症状は単なる夜勤恐怖ではなく、外傷的体験後の侵入症状や過覚醒を伴っています。

4.急性ストレス障害
判定:最も適切。
外傷的出来事の後、3週間の時点で、侵入症状、悪夢、不眠、いらいら、回避がみられています。期間からみても急性ストレス障害が最も適切です。

5.心的外傷後ストレス障害
判定:適切とはいえない。
PTSDは、外傷後の症状が1か月を超えて持続する場合に検討されます。本事例は出来事から3週間後であり、急性ストレス障害が適切です。

## 覚えるポイント

* 急性ストレス障害は、外傷後3日以上1か月以内の症状として考えます。
* PTSDは、症状が1か月を超えて持続する場合に検討します。
* 侵入症状、回避、過覚醒、睡眠障害、集中困難を確認します。

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