8AM73第8回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-18 薬剤有害事象・睡眠衛生

58 歳の女性A、会社員。夫と二人暮らしである。産業医との面談で不眠を訴え、社内の心理相談室を紹介され、公認心理師Bの面接を受けた。Aによると、睡眠時間は8時間がベストと決めているが、夜中に2回から3回、目が覚めてしまい、熟睡できないという。身体を休めるため、寝酒をしたり、早めに床に就いたり、週末には長めの昼寝をするなど工夫しているものの、疲労感が増すばかりであるという。 ```  Bが、Aに対して初期に実施する認知行動療法として、不適切なものを1つ選べ。

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正解: 2


## 正答

2

## この問題のポイント

この問題では、不眠に対する**認知行動療法〈CBT-I〉**の初期対応として適切なものと不適切なものを区別することが問われています。

「不適切なもの」を選ぶ問題なので、正答は初期介入として適切でない選択肢です。

## 解説

不眠に対する認知行動療法では、まず睡眠状態、生活リズム、就床・起床時刻、昼寝、アルコール摂取、睡眠に関する考え方などを把握します。

Aは「睡眠時間は8時間がベスト」と決めつけ、早めに床に就き、週末に長めの昼寝をし、寝酒もしています。しかし、疲労感は増しています。これらは不眠を維持している可能性があります。

初期には、睡眠日誌で睡眠状況を把握し、睡眠に関する非機能的な信念を評価し、週末の昼寝や過ごし方、寝酒の影響について心理教育を行うことが適切です。

一方、**就床時間を一定化する**ことは、不眠の人には必ずしも初期に適切とはいえません。眠くないのに決まった時間に床に入ると、床の中で眠れずに過ごす時間が増え、寝床と覚醒・不安が結びつきやすくなります。CBT-Iでは、むしろ起床時刻の一定化、眠気が来てから床に入ること、寝床で眠れない時間を減らすことが重視されます。

> ひっかけポイント
> 不眠支援では、就床時刻を早めることや固定することが常に良いわけではありません。眠れない時間を寝床で長く過ごすと、不眠が維持されやすくなります。

## 選択肢の確認

1.睡眠日誌の記録
判定:適切。
睡眠日誌は、就床時刻、入眠時間、中途覚醒、起床時刻、昼寝、飲酒などを把握するために有用です。CBT-Iの初期に適切です。

2.就床時間の一定化
判定:正答。適切でない。
不眠がある人に就床時間を一定化させると、眠くないまま寝床に入り、覚醒したまま過ごす時間が増えることがあります。初期には、就床時刻よりも起床時刻の一定化や眠気に応じた就床が重視されます。

3.週末の過ごし方の検討
判定:適切。
Aは週末に長めの昼寝をしています。長い昼寝は夜間睡眠に影響するため、週末の過ごし方を検討することは適切です。

4.睡眠に関する非機能的な信念の評価
判定:適切。
Aは「睡眠時間は8時間がベスト」と強く考えています。睡眠へのこだわりや不安が不眠を維持することがあるため、非機能的信念の評価は適切です。

5.アルコールの摂取方法に関する心理教育
判定:適切。
寝酒は入眠を助けるように感じられても、中途覚醒や睡眠の質の低下につながることがあります。アルコールに関する心理教育は適切です。

## 覚えるポイント

* 不眠のCBTでは、睡眠日誌、睡眠衛生、刺激制御、睡眠制限、認知への介入を用います。
* 眠れないまま長く寝床にいることは、不眠を維持しやすくします。
* 寝酒や長い昼寝は、睡眠の質を悪化させることがあります。

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