8AM72|第8回 公認心理師国家試験 過去問
教育領域-04 不登校・教育機会確保・家庭訪問
17 歳の男子A、高校2年生。母親と小学2年生の弟との三人暮らしである。Aは、1か月前から不登校気味で、心配した担任教師に連れられて、スクールカウンセラーBのもとを訪れた。Aによると、2か月前に父親が事故死し、もともと身体の弱かった母親は、父親の突然の死にショックを受け、日常生活もままならない状態に陥っている。弟の世話も含め、Aが一家の家事全般を担っているという。面接室でのAは暗い表情で、ほとんど言葉を発することもなく、時折、「母や弟を支えたいと思うけど、もう疲れた」、「生きていても意味がない」と言いながら、涙を流している。 ``` 初回面接における、BのAへの対応として、不適切なものを1つ選べ。
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正解: 1
## 正答
1
## この問題のポイント
この問題では、死別後の強い負担と希死念慮が疑われる高校生に対する、初回面接での**危機アセスメント**が問われています。
「不適切なもの」を選ぶ問題なので、正答は初回面接で避けるべき対応です。
## 解説
Aは17歳の高校2年生で、2か月前に父親を事故で亡くしています。母親はショックで日常生活もままならず、小学2年生の弟の世話を含め、Aが家事全般を担っています。
面接室では暗い表情で、ほとんど言葉を発せず、「もう疲れた」「生きていても意味がない」と涙を流しています。これは希死念慮や自殺リスクを慎重に確認する必要がある状態です。
初回面接では、希死念慮に触れると危険が高まると考えて避けるのではなく、むしろ安全確認のために、本人の負担感、死にたい気持ちの有無、具体的な方法や計画、実行可能性、保護要因、周囲の支援を丁寧に確認する必要があります。
また、Aはヤングケアラーのような状況に置かれている可能性もあります。心理状態のアセスメントだけでなく、家庭状況、学校生活、福祉的支援、担任や管理職、スクールソーシャルワーカー、必要に応じた医療機関連携を検討します。
> 事例問題で見るポイント
> 「生きていても意味がない」という発言がある場合、希死念慮の確認を避けてはいけません。初回面接でも安全確認を優先します。
## 選択肢の確認
1.希死念慮に関する話題は控える。
判定:正答。適切でない。
Aは「生きていても意味がない」と述べており、自殺リスクの確認が必要です。希死念慮について話題にすることを控えるのではなく、安全確認のため丁寧に確認します。
2.問題となっている事柄を整理する。
判定:適切。
父親の事故死、母親の不調、弟の世話、家事負担、不登校気味であることなど、複数の問題が絡んでいます。Aと一緒に整理することは適切です。
3.Aの置かれている状況を把握する。
判定:適切。
Aは家事や弟の世話を担い、心理的・生活的負担が大きい状態です。家庭、学校、支援者、経済面、福祉的支援の有無を把握することが重要です。
4.Aの心理状態のアセスメントを行う。
判定:適切。
抑うつ、悲嘆反応、疲弊、希死念慮、自殺リスクなどの心理状態を評価する必要があります。初回面接で優先される対応です。
5.言語的及び非言語的な情報を意識する。
判定:適切。
Aは言葉が少なく、暗い表情で涙を流しています。発言内容だけでなく、表情、姿勢、沈黙、涙、声の調子などの非言語的情報も重要です。
## 覚えるポイント
* 希死念慮が疑われる発言がある場合、話題を避けずに安全確認を行います。
* 初回面接では、心理状態、生活状況、支援資源、自殺リスクを整理します。
* ヤングケアラーの可能性がある場合、学校内外の支援につなぐ視点が必要です。