7PM149第7回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-14 精神保健医療制度・入院形態

[7PM149] 29 歳の女性A、会社員。「電車に乗ろうとすると怖くなって、気分が悪くなる」と訴えて、精神科クリニックを受診した。Aによると、今年の夏休みに花火大会に出かけた帰りの電車の中で、突然、息苦しさ、激しい動悸、めまいに襲われ、途中の駅で降りた。その日は駅のベンチでしばらく休んだ後、タクシーで帰宅できたが、その後、通勤のため電車に乗っているときに何度も同じような症状に襲われたことから、電車に乗ることが怖くなった。今では、「また同じようなことが起きたら死んでしまうかもしれない」と強い不安を感じ、電車通勤を避けている。 Aに対する認知行動療法に該当しないものを 1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1

この問題のポイント

この問題では、パニック発作と電車回避がみられる事例に対する認知行動療法の内容が問われています。

「該当しないもの」を選ぶ問題なので、正答は認知行動療法として不適切な選択肢です。

解説

Aは電車内で、息苦しさ、激しい動悸、めまいを突然経験し、「死んでしまうかもしれない」と強く不安になっています。その後、電車に乗る場面で同様の症状が反復し、電車通勤を避けています。

このような場合、認知行動療法では、症状に関する心理教育、身体感覚への破局的解釈の見直し、電車に乗ることへの段階的曝露、不安な身体感覚をあえて体験する内受容感覚曝露などが行われます。

一方、安全確保行動は、不安を一時的に下げるために行われる行動です。たとえば、逃げ道を常に確認する、各駅停車しか乗らない、薬や水を持たないと乗れない、出口付近に立つ、誰かに付き添ってもらうなどがあります。

安全確保行動は短期的には安心をもたらしますが、「それをしなければ危険だ」という思い込みを維持し、不安の改善を妨げることがあります。そのため、認知行動療法では、安全確保行動を継続させるのではなく、少しずつ減らしていくことを検討します。

心理療法のポイント
パニック症や広場恐怖のCBTでは、心理教育、認知再構成、段階的曝露、内受容感覚曝露が重要です。安全確保行動は維持要因として扱います。

選択肢の確認

1.安全確保行動の継続
判定:正答。該当しない。
安全確保行動は不安を一時的に下げますが、長期的には「安全行動がないと危険」という認知を維持します。認知行動療法では、継続させるのではなく、必要に応じて段階的に減らす対象になります。

2.Aの症状に関する心理教育
判定:該当する。
パニック発作の身体症状や不安の仕組みについて説明することは、認知行動療法の重要な要素です。症状の理解は不安の軽減につながります。

3.電車に乗ることの段階的経験
判定:該当する。
電車に乗ることを段階的に経験する曝露は、回避を減らし、不安に慣れていくために有効です。認知行動療法の重要な介入です。

4.不安につながる認知の再検討
判定:該当する。
「また起きたら死んでしまうかもしれない」といった破局的認知を検討し、より現実的な理解を形成することは、認知行動療法の中心的要素です。

5.息苦しさや動悸など不安な身体感覚の意図的体験
判定:該当する。
息苦しさ、動悸、めまいなどの身体感覚を安全な場で意図的に体験する内受容感覚曝露は、パニック症状への恐怖を下げるために用いられます。

覚えるポイント

  • パニック症や広場恐怖のCBTでは、心理教育、認知再構成、曝露が重要です。
  • 身体感覚への恐怖には、内受容感覚曝露が用いられます。
  • 安全確保行動の継続は、不安を維持しやすいためCBTとしては不適切です。

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