7AM65第7回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-06 気分症:うつ病・双極症・気分変調・気分循環

[7AM65] 22 歳の男性A、大学4年生。普段と様子が違うことを心配した両親に連れられて、精神科クリニックを受診した。両親によると、Aは、1か月前からいらいらして怒りっぽくなり、夜もほとんど寝ていないという。Aに理由を聞くと、自分の卒業研究の進め方をめぐって指導教員としばしば口論になり、大変であるという。一方で、自分の研究はノーベル賞級の素晴らしいものであると胸を張って力説したり、趣味のバイクの自慢をしたり、SNS で自分のバイクのことが絶賛されたと得意げに話したりする。多弁で、話題を変えて話し続ける。先月はバイクの改造にかなりお金を使ったという。薬物の乱用歴はない。 Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、事例から躁病エピソードを読み取り、双極Ⅰ型障害を判断することが問われています。

事例のキーワードは、1か月前からの怒りっぽさ、睡眠がほとんど不要、多弁、話題の転導、誇大的な発言、浪費です。

解説

Aには、躁状態を示す特徴が複数みられます。

具体的には、夜もほとんど寝ていない、いらいらして怒りっぽい、自分の研究をノーベル賞級と力説する、SNSで絶賛されたと得意げに話す、多弁で話題を変えて話し続ける、バイク改造にかなりお金を使う、などです。

これらは、気分の高揚または易怒性、誇大性、睡眠欲求の減少、多弁、観念奔逸、活動性の増加、浪費などの躁病エピソードに合致します。躁病エピソードがみられる場合、双極Ⅰ型障害が最も適切です。

双極Ⅱ型障害は、軽躁病エピソードと抑うつエピソードが中心で、躁病エピソードはありません。本問では、生活上の問題が顕著で、家族が心配して受診に至るほどの躁状態が示されています。

事例問題で見るポイント
躁状態では、気分の高揚だけでなく、易怒性、睡眠欲求の減少、誇大性、多弁、浪費、社会的トラブルを確認します。

選択肢の確認

1.統合失調症
判定:適切とはいえない。
統合失調症では、幻覚、妄想、まとまりにくい思考、陰性症状などが中心になります。Aには誇大的な発言がありますが、全体としては睡眠欲求の減少、多弁、浪費、易怒性など躁状態の特徴が目立つため、双極Ⅰ型障害が適切です。

2.双極Ⅰ型障害
判定:最も適切。
Aには、躁病エピソードを示す症状が複数みられます。躁病エピソードが認められる場合、双極Ⅰ型障害として理解するのが最も適切です。

3.双極Ⅱ型障害
判定:適切とはいえない。
双極Ⅱ型障害では、軽躁病エピソードと抑うつエピソードがみられますが、躁病エピソードはありません。Aの状態は軽躁より重い躁状態として理解するのが適切です。

4.気分循環性障害
判定:適切とはいえない。
気分循環性障害は、軽躁症状と抑うつ症状が長期間にわたり持続・反復するものです。本事例では、1か月前からの明らかな躁状態が中心であり、気分循環性障害より双極Ⅰ型障害が適切です。

5.注意欠如多動症/注意欠如多動性障害
判定:適切とはいえない。
注意欠如多動症/注意欠如多動性障害では、不注意、多動性、衝動性が発達期から持続します。Aの症状は1か月前から急に変化しており、誇大性、睡眠欲求の減少、多弁、浪費が目立つため、躁状態として理解します。

覚えるポイント

  • 躁病エピソードがあれば、双極Ⅰ型障害を考えます。
  • 躁状態では、睡眠欲求の減少、誇大性、多弁、観念奔逸、浪費、易怒性が重要です。
  • 双極Ⅱ型障害は、躁病エピソードではなく軽躁病エピソードが中心です。

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