7AM66第7回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-07 精神病症:統合失調症・短期精神病・幻覚妄想

[7AM66] 29 歳の女性A、学校教員。両親に連れられて総合病院精神科を受診した。同居の両親によると、Aは、1週間前の夜、長年交際してきた同僚の男性Bから別れを告げられた。翌朝、険しい表情でリビングに現れたAは、なぐさめる両親に対して激しく興奮し、その日から仕事を休んでいる。自宅では、「Bの声が聞こえる」と言って騒いだり、「Bが迎えに来た」と言って誰もいない玄関に飛び出したり、落ち着かない状態が続いた。外来でもAは、「診察室に生徒がいる」と言って混乱した様子を見せた。入院治療となり、2週間程度でこれらの症状は消失した。その後は安定した状態が続いている。 Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この問題では、急性の精神病症状が短期間で消失した事例から、短期精神病性障害を判断することが問われています。

事例のキーワードは、強い心理的ストレス、幻聴や幻視様の訴え、混乱、興奮、2週間程度で症状が消失、その後安定です。

解説

Aは、長年交際してきた同僚の男性Bから別れを告げられた翌日から、激しい興奮、幻聴様の訴え、誰もいない玄関に飛び出す行動、診察室に生徒がいるという混乱した訴えを示しています。

しかし、入院治療により2週間程度で症状は消失し、その後は安定した状態が続いています。急性に発症し、精神病症状が短期間で改善していることから、短期精神病性障害として理解するのが最も適切です。

統合失調症では、症状の持続期間や経過がより長く、社会機能への影響も含めて判断します。本事例では、急性発症、短期間での消失、強い心理的ストレスとの関連が重要です。

事例問題で見るポイント
精神病症状がある場合でも、すぐに統合失調症と判断しません。発症の急性さ、持続期間、誘因、回復経過を確認します。

選択肢の確認

1.統合失調症
判定:適切とはいえない。
統合失調症では、幻覚や妄想などの精神病症状がみられますが、一定期間の持続や経過の評価が必要です。本事例では、強いストレスの直後に急性発症し、2週間程度で症状が消失しているため、短期精神病性障害がより適切です。

2.パニック症
判定:適切とはいえない。
パニック症では、突然の動悸、息苦しさ、発汗、めまい、死への恐怖などを伴うパニック発作が中心です。Aには幻聴様の訴え、混乱、興奮が目立ち、パニック症としては説明しにくいです。

3.妄想性障害
判定:適切とはいえない。
妄想性障害では、比較的体系化された妄想が持続する一方、著しい混乱や短期間での完全な消失は中心的特徴ではありません。本事例では急性で一過性の精神病症状が中心です。

4.短期精神病性障害
判定:最も適切。
強い心理的ストレスの後に、幻覚様体験や混乱、興奮などの精神病症状が急性に出現し、2週間程度で消失しています。短期精神病性障害として理解するのが最も適切です。

5.心的外傷後ストレス障害
判定:適切とはいえない。
心的外傷後ストレス障害では、実際の死や重傷、性的暴力などの外傷体験に関連して、侵入症状、回避、認知と気分の陰性変化、過覚醒などが持続します。本事例は、急性の精神病症状と短期間での消失が中心です。

覚えるポイント

  • 短期精神病性障害は、急性に精神病症状が出現し、短期間で改善する病態です。
  • 精神病症状があっても、持続期間と経過を確認して鑑別します。
  • 強い心理的ストレスの後に急性発症し、短期間で回復する点が本問の判断ポイントです。

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