7PM142第7回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-13 依存症・物質関連障害

[7PM142] 40 歳の女性A、夫Bと二人暮らし。Bが健康診断で肝機能障害を指摘されたため、AはBの付き添いで総合病院に来院した。Bは 2 年前にアルコール関連の問題を起こし、職場で処分を受けた。しかし、その後も、Bの飲酒量は減らず、半年前から欠勤が増えている。Aは、飲酒を止めるように常に言い聞かせ、健康に配慮した食事を作るなど、懸命にBをサポートしている。一方で、酔ったBから暴力を受け、不眠がちになり、両親から離婚を勧められたが、「Bには私が必要だから」と言って同意しない。担当医はBの入院治療を提案したが、Aは、「私が世話をできるので入院は不要です」と言って、頑なに拒否する。 Aの状態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正答

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この問題のポイント

この問題では、アルコール関連問題をもつ家族への関わりから、共依存を理解することが問われています。

事例のキーワードは、「Bには私が必要だから」「私が世話をできるので入院は不要です」「暴力を受けても離れられない」「懸命にサポートし続ける」です。

解説

共依存とは、依存症などの問題を抱える相手を支えようとする中で、自分自身の安全や健康、生活を犠牲にしながら、相手の問題を結果的に維持してしまう関係性を指すことがあります。

Aは、Bの飲酒問題が続いており、暴力も受け、不眠がちになっています。それにもかかわらず、「Bには私が必要だから」と離婚に同意せず、医師が入院治療を提案しても「私が世話をできるので入院は不要です」と拒否しています。

これは、AがBを支えることに過度に巻き込まれ、自分自身の安全や健康を後回しにしている状態です。また、Bが必要な治療につながる機会をAが止めてしまっている点も重要です。

ただし、共依存という理解は、被害者であるAを責めるために使うものではありません。A自身も暴力と不眠に苦しんでおり、安全確保、心理的支援、家族支援、依存症治療への連携が必要です。

依存症支援のポイント
アルコール関連問題では、本人だけでなく家族も支援対象です。家族が抱える疲弊、恐怖、罪悪感、役割の固定化を丁寧に理解します。

公認心理師としての注意点
暴力がある場合は、依存症支援と同時にDVとしての安全確保を考えます。本人の治療につなげることと、家族の安全を守ることを分けて検討します。

選択肢の確認

1.共依存
判定:最も適切。
Aは、Bの飲酒問題や暴力によって苦しみながらも、「Bには私が必要」と考え、入院治療を拒否しています。相手の問題に過度に巻き込まれ、自分の安全や健康を犠牲にして支え続ける状態として、共依存が最も適切です。

2.抑うつ
判定:適切とはいえない。
Aには不眠がみられ、抑うつ状態が併存する可能性はあります。しかし、本問で問われている中心は、Bの飲酒問題に巻き込まれ、治療よりも自分が世話をすることに固執している関係性です。そのため、共依存が最も適切です。

3.誇大妄想
判定:適切とはいえない。
誇大妄想は、自分が特別に偉大である、特別な力を持っているなどと確信する妄想です。Aの「私が世話をできる」という発言は、夫を支えようとする巻き込まれの文脈で理解され、誇大妄想とはいえません。

4.情動麻痺
判定:適切とはいえない。
情動麻痺は、強いストレスやトラウマ後に感情が感じにくくなる状態を指します。Aは不眠や葛藤を抱えながらBを支え続けており、情動麻痺より共依存が適切です。

5.見当識障害
判定:適切とはいえない。
見当識障害は、時間、場所、人物などが分からなくなる状態です。Aにはそのような認知機能の障害は示されていません。

覚えるポイント

  • 共依存は、相手の問題に過度に巻き込まれ、自分を犠牲にして支え続ける関係性です。
  • 依存症支援では、本人だけでなく家族への支援も重要です。
  • 暴力がある場合は、依存症の問題とDVの安全確保を同時に考えます。

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