7AM75|第7回 公認心理師国家試験 過去問
[7AM75] 25 歳の男性A、対人援助職。Aは、心身の不調により医療機関を受診し、公認心理師が面接をした。Aによると、入職した3年前は、やる気に満ち、支援対象である子どもと関わることが楽しみで、やりがいも感じていた。しかし、1年前から、担当児童数が急激に増え、責任ある仕事を任されることも多くなり、最近は、仕事に行きたくないという気持ちが毎日続いている。何とか職場に行っても、共感的に子どもと関わることが難しく、個々のニーズに対応することを面倒に感じ、書類の整理などの事務的な作業をして、子どもとの関わりを避けることも多くなったという。 Aの状態に関係が深い症状として、適切なものを2つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 1・3
正答
1、3
この問題のポイント
この問題では、対人援助職にみられるバーンアウトの主要な症状が問われています。
事例のポイントは、担当児童数の急増、責任ある仕事の増加、仕事に行きたくない気持ち、子どもへの共感困難、関わりの回避です。
解説
Aは、入職当初はやる気に満ち、子どもと関わることに楽しさややりがいを感じていました。しかし、担当児童数が急激に増え、責任ある仕事も多くなった後、仕事への負担感が強まり、心身の不調が出ています。
バーンアウトでは、主に次のような側面が問題になります。
- 情緒的消耗:感情的エネルギーが枯渇し、疲れ切った状態
- 脱人格化:支援対象者に対して、冷淡、機械的、距離を置いた関わりになる状態
- 個人的達成感の低下:自分の仕事に意味や成果を感じにくくなる状態
Aは、仕事に行きたくない気持ちが毎日続いており、子どもと共感的に関わることが難しくなり、個々のニーズへの対応を面倒に感じ、事務作業をして子どもとの関わりを避けています。
これは、バーンアウトにおける情緒的消耗と脱人格化に関係が深い状態です。
産業・労働領域のポイント
対人援助職のバーンアウトでは、本人の弱さだけでなく、業務量、責任の重さ、支援体制、職場環境を含めて理解します。
選択肢の確認
1.脱人格化
判定:正しい。
脱人格化は、支援対象者に対して冷淡、機械的、距離を置いた関わりになりやすい状態です。Aが子どもに共感的に関われず、個々のニーズへの対応を面倒に感じ、関わりを避けている点に合致します。
2.現実感消失
判定:誤り。
現実感消失は、周囲の世界が現実ではないように感じられる解離症状の一つです。Aの事例では、支援対象との関わりへの疲弊や回避が中心であり、現実感消失が主な症状とはいえません。
3.情緒的消耗
判定:正しい。
情緒的消耗は、感情的エネルギーが枯渇し、疲れ切っている状態です。Aは仕事に行きたくない気持ちが毎日続き、心身の不調もあり、バーンアウトの中心症状として適切です。
4.複雑性悲嘆
判定:誤り。
複雑性悲嘆は、大切な人を亡くした後の悲嘆が長期化し、生活に大きな支障をきたす状態です。Aの事例には死別体験や喪失への持続的悲嘆は示されていません。
5.空の巣症候群
判定:誤り。
空の巣症候群は、子どもの独立などにより親役割が変化した際に、喪失感や抑うつ感が生じる状態です。Aは対人援助職の業務負担に関連した状態であり、空の巣症候群ではありません。
覚えるポイント
- バーンアウトの中心は、情緒的消耗、脱人格化、個人的達成感の低下です。
- 対人援助職では、共感困難や支援対象への距離感の変化に注意します。
- 支援では、本人だけでなく職場環境や業務負荷も評価します。