38Q58|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護老人福祉施設で、終末期にある利用者とその家族に行う介護福祉職の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.好きなものや食べたいものがある場合は、家族に持ってきてもらう。
この問題のポイント
終末期の支援では、生命を安全に保つことだけでなく、利用者本人が大切にしてきたこと、食の楽しみ、家族との時間、その人らしさを尊重する視点が必要です。
本人が食べたいものを希望している場合、嚥下状態や体調を多職種で確認し、安全に配慮しながら実現方法を考えます。
解説
終末期にある人は、食欲や嚥下機能が低下し、食べられる量が少なくなることがあります。そのような時期でも、好きな味を少し口にすることや、家族が用意した思い出の食べ物に触れることは、安心感や満足感につながることがあります。
介護福祉職は、まず利用者本人の希望を確認します。そのうえで、看護職、医師、管理栄養士、言語聴覚士などと、嚥下状態、食形態、一口量、姿勢、アレルギー、衛生面を相談します。安全に食べることが難しい場合も、口腔を湿らせる、香りを楽しむ、味を少量感じてもらうなど、本人の希望に近づく方法をチームで検討します。
家族には、現在の状態と食べられる方法をわかりやすく説明し、無理に食べさせる必要はないことも共有します。家族が食べ物を持参することは、家族自身がケアに参加し、利用者との大切な時間を過ごす機会にもなります。
介護実践でのポイント
食べる量を目標にして勧め続けるのではなく、本人の表情、呼吸、むせ、疲労、口腔内残留を観察し、苦痛があれば中止して医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.利用者の苦しそうな姿を見せないように、家族には面会を控えてもらう。
適切ではありません。
家族と過ごす時間は、利用者と家族の双方にとって大切です。介護福祉職が一方的に面会を制限するのではなく、本人と家族の希望を確認し、状態を説明して、安心して面会できるように支援します。
2.利用者と家族の関係が良好でない場合は、家族と連絡を取らないようにする。
適切ではありません。
関係が良好でないという理由だけで連絡を断つことはできません。本人の意思、安全、家族関係の経緯を確認し、必要に応じて多職種で連絡方法や距離の取り方を調整します。
3.好きなものや食べたいものがある場合は、家族に持ってきてもらう。
正答。最も適切です。
本人の希望とその人らしさを尊重し、家族にもケアへ参加してもらう支援です。実際には、嚥下状態、食形態、衛生面、施設の決まりを医療・介護チームで確認したうえで行います。
4.苦痛を訴える場合は、家族から激励してもらう。
適切ではありません。
苦痛があるときに「頑張って」と励ますと、本人が苦しさを表現しにくくなることがあります。苦痛の内容を観察し、安楽な体位を整え、看護職や医師へ報告して緩和を図ります。
5.家族が不安になるため、体調の変化は伝えないようにする。
適切ではありません。
家族が状況を理解して意思決定し、利用者と過ごすためには、体調の変化を適切に伝える必要があります。本人の意向と個人情報に配慮し、わかりやすい言葉で丁寧に説明します。
覚えるポイント
終末期の介護は、本人の苦痛を和らげ、その人らしい過ごし方と家族との時間を支えます。
食べたいものは、本人の希望を確認し、嚥下状態や体調に応じて多職種で安全な方法を考えます。
家族には状態を隠さず、気持ちを受け止めながら説明し、できる範囲でケアに参加できるようにします。