38Q39|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、右片麻痺{みぎかたまひ}のある利用者に対する、仰臥位{ぎょうがい}(背臥位{はいがい})から車いすへの移乗の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.移乗するときは、利用者に前傾姿勢をとるように促す。
この問題のポイント
右片麻痺のある利用者が、ベッド上から起き上がり、端座位を経て車いすへ移るときの基本的な安全動作を問う問題です。
移乗では、非麻痺側である左側の力を活かし、車いすを左側に準備し、フットサポートを上げ、立ち上がる前に体幹を前へ傾けます。
解説
椅子から立ち上がるときは、足底を床につけ、体幹を前に傾けて重心を足の上へ移す必要があります。前傾せずに上体を起こそうとすると、重心が後方に残り、殿部が浮きにくく、後方へ倒れる危険があります。本人に前傾姿勢を促すことは、残存機能を活かした立ち上がりにつながります。
右片麻痺では、非麻痺側は左側です。標準的には、車いすをベッドの左側へ斜めに置き、ブレーキをかけ、フットサポートを上げて移乗経路を確保します。介護福祉職は麻痺側の膝折れやふらつきを支えられる位置に立ち、麻痺側の上肢を引っ張らないようにします。
起き上がり方や介助位置は、麻痺の程度、座位保持、関節可動域、ベッドの配置などで調整します。ここで示すのは試験で問われる基本原則であり、実際には本人の能力を評価し、必要な介助量を選びます。
介護実践でのポイント
移乗前に、本人へ手順を説明し、車いすのブレーキ、タイヤ、座面、フットサポート、履物、床面を確認します。介助者の力で持ち上げるのではなく、本人の前方への重心移動と非麻痺側の力を活かします。
選択肢の確認
1.利用者に右側臥位{みぎそくがい}になって起き上がるように促す。
誤り。
右側は麻痺側です。本設問の基本的な方法では、非麻痺側である左側の上肢や下肢を活かせる方向へ起き上がります。麻痺側の肩を圧迫したり引っ張ったりしないようにします。
2.端座位になった利用者の左側に立つ。
誤り。
左側は非麻痺側であり、本人が力を使う側です。介護福祉職は、右の麻痺側で膝折れやふらつきを支えられる位置を基本とし、本人の動きを妨げないようにします。
3.端座位になった利用者の右側に、車いすを置く。
誤り。
右側は麻痺側です。標準的には、本人が左の非麻痺側の手足を使って方向転換しやすいよう、車いすを左側へ斜めに置きます。
4.車いすのフットサポートは下げておく。
誤り。
フットサポートを下げたままにすると、立ち上がりや方向転換の際に足をぶつけたり、引っかけたりする危険があります。移乗前に上げるか外して、移動経路を確保します。
5.移乗するときは、利用者に前傾姿勢をとるように促す。
正しい。
体幹を前に傾けて重心を足の上へ移すと、殿部が浮きやすくなり、非麻痺側の下肢を活かして立ち上がりや方向転換を行いやすくなります。
覚えるポイント
右片麻痺では、左側が非麻痺側です。車いすは基本的に非麻痺側へ置きます。
移乗前は、ブレーキをかけ、フットサポートを上げ、足底が安定する位置を整えます。
立ち上がりでは、体幹を前傾して重心を足の上へ移します。