38Q106|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、介護過程における生活課題への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.利用者が望む暮らしを実現すること
この問題のポイント
介護過程の中心となるのは、介護者、家族、施設ではなく利用者です。
生活課題への対応は、利用者が大切にしていることや望む暮らしを明らかにし、その実現に向けて本人の力と環境を整えることです。
解説
介護過程は、アセスメント、介護計画の立案、実施、評価を循環させながら、利用者が望む生活を実現するための考え方と実践の過程です。
生活課題は、単に「できない動作」や「介護者が困っていること」を並べたものではありません。利用者がどのように暮らしたいか、その人の現在の心身状態、生活歴、習慣、役割、家族・地域との関係、住環境、利用できる制度やサービスを総合して考えます。そして、望む暮らしと現状との間にある課題を明確にします。
例えば、歩行が不安定な人の生活課題は、単に「歩けないこと」とは限りません。「自宅の庭へ出て、毎朝花に水をやりたい」という本人の希望があれば、安全に庭まで移動して役割を続けられるようにすることが課題になります。歩行補助具、住環境、見守り、多職種の支援などを組み合わせ、本人ができることを活かします。
介護福祉職、家族、他職種、施設には、それぞれ意見や事情があります。しかし、それらは利用者の望む生活を支えるために調整されるものであり、支援の目的そのものではありません。本人の希望を無条件に実行するという意味でもなく、安全性、権利、実現可能性を本人と一緒に検討し、説明と同意を重ねます。
ひっかけポイント
「家族が望むこと」や「施設が実施しやすいこと」が、利用者の生活課題と一致するとは限りません。誰を主語にした目標なのかを確認します。
介護実践でのポイント
利用者が言葉で希望を表しにくい場合も、表情、行動、生活歴、これまでの選択、家族等からの情報を手がかりに意思を丁寧に確認します。支援者が本人の意思を推測だけで決めてはいけません。
選択肢の確認
1.介護福祉職が望む支援を実現すること
適切ではありません。
介護福祉職の考えや都合を実現することが目的ではありません。専門的な判断は、利用者が望む暮らしを支えるために用います。
2.利用者が望む暮らしを実現すること
正答。最も適切です。
介護過程では、利用者を生活の主体として捉え、本人が望む生活の実現に向けて生活課題を明確にし、支援を組み立てます。
3.他職種が望む連携を実現すること
適切ではありません。
多職種連携は重要ですが、連携そのものが目的ではありません。各職種が情報と専門性を持ち寄り、利用者の目標達成を支えることが目的です。
4.家族が望む経済状況を実現すること
適切ではありません。
経済状況は生活に影響する重要な情報ですが、家族の希望だけを生活課題の中心にはしません。利用者本人の意思と生活への影響を確認し、必要に応じて相談支援や制度利用につなげます。
5.施設が望む運営を実現すること
適切ではありません。
施設の運営上の都合を利用者の生活より優先してはいけません。組織の基準や安全管理も、利用者の尊厳と個別性を守るために運用します。
覚えるポイント
介護過程の目的は、利用者が望む生活を実現することです。
生活課題は、望む暮らしと現在の状況との関係から明確にします。
利用者のできること、強み、習慣、役割、環境因子もアセスメントします。
家族や他職種とは、利用者の目標を中心に連携します。
支援者の都合を、利用者のニーズに置き換えてはいけません。