38Q105|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、ボタン型胃ろうチューブを挿入している利用者に対して、介護福祉士が行うケアとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.胃ろう周囲の皮膚は石けんとぬるま湯で洗浄して、清潔を保つ。
この問題のポイント
胃ろうの日常的な皮膚ケアと、医師・看護職の判断や指示が必要な処置を区別する問題です。
胃ろう周囲は、原則として石けんとぬるま湯でやさしく洗い、よくすすいで乾燥させます。日常的に消毒する場所ではありません。
解説
胃ろうは、腹壁から胃へ通路をつくり、チューブを通して栄養や水分を注入する方法です。ボタン型胃ろうチューブは体外に出る部分が短い形ですが、胃ろう周囲の皮膚には、栄養剤や胃液の漏れ、圧迫、摩擦、湿潤による皮膚障害が起こることがあります。
日常のケアでは、胃ろう周囲を石けんとぬるま湯で洗い、汚れや分泌物を落とします。洗浄後は石けん分を残さず、やさしく水分を拭き取って乾燥させます。その際、発赤、腫れ、痛み、出血、肉芽、膿性の分泌物、悪臭、胃内容物の漏れ、チューブの固定状態などを観察します。
発赤があるときは、まず原因と状態を観察し、看護職へ報告します。胃液による刺激、圧迫、感染、接触皮膚炎など原因によって対応が異なるため、介護福祉士の判断で軟膏を塗るのは適切ではありません。軟膏は処方や具体的な指示がある場合に使用します。
胃ろうチューブを回転させる必要性や頻度は、造設後の時期、瘻孔が完成しているか、チューブの種類、製品の使用方法によって異なります。製品によっては、瘻孔完成後に決められた方法で回転させるものもありますが、介護福祉士が一律に1日2、3回回すことはできません。医師・看護職の指示と製品の手順に従います。
歩行は、胃ろうチューブがあることだけを理由に避けるものではありません。チューブの引っかかりや抜去を予防して固定を確認し、利用者の状態に応じて活動を支えます。
胃ろう部は、通常、栄養剤を注入するたびに消毒する必要はありません。手指衛生を行い、接続部を清潔に扱い、決められた手順で注入します。消毒を繰り返すと、皮膚への刺激になる場合もあります。
ひっかけポイント
「清潔にする」と「毎回消毒する」は同じではありません。胃ろうの日常管理では、石けんとぬるま湯による洗浄、乾燥、観察が基本です。
介護実践でのポイント
胃ろう周囲の強い発赤、腫れ、出血、膿、悪臭、持続する漏れ、チューブの抜け・ずれ、腹痛、嘔吐などがある場合は、注入を自己判断で続けず、看護職等へ直ちに報告します。チューブの再挿入や交換は医療職が行います。
選択肢の確認
1.胃ろう周囲の皮膚に発赤がある場合は、軟膏{なんこう}を塗布する。
適切ではありません。
発赤の原因には、漏れ、圧迫、摩擦、感染などがあり、必要な処置が異なります。状態を観察して看護職へ報告し、軟膏は処方や指示がある場合に使用します。
2.1日に2、3回、胃ろうチューブを回転させて、癒着を防ぐ。
適切ではありません。
回転の可否と頻度は、造設後の時期やチューブの種類によって異なります。介護福祉士が一律に1日2、3回行うのではなく、医師・看護職の指示と製品の手順に従います。
3.胃ろうチューブの抜去予防のため、歩行は避けるように勧める。
適切ではありません。
胃ろうがあることだけを理由に歩行を制限すると、利用者の活動や自立を不必要に妨げます。チューブを安全に固定し、本人の状態に応じて歩行や日常生活を支援します。
4.胃ろう周囲の皮膚は石けんとぬるま湯で洗浄して、清潔を保つ。
正答。最も適切です。
石けんとぬるま湯でやさしく洗い、よくすすいで乾燥させることが、胃ろう周囲の基本的な日常ケアです。洗浄時には皮膚とチューブの状態も観察します。
5.栄養剤を注入する前には、胃ろう部を消毒する。
適切ではありません。
通常の日常管理では、注入のたびに胃ろう部を消毒する必要はありません。手指衛生を行い、接続部を清潔に扱い、胃ろう周囲は洗浄によって清潔を保ちます。
覚えるポイント
胃ろう周囲は、石けんとぬるま湯で洗い、よくすすいで乾燥させます。
発赤や漏れがあれば、原因を決めつけず観察して看護職へ報告します。
軟膏の使用、チューブの回転、交換は、指示や製品の手順を確認します。
胃ろうがあるだけで歩行を制限せず、安全を確保して残存機能を活かします。
日常的な洗浄と、医療上必要な消毒を区別します。