34Q110|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
気管カニューレ内部の喀痰吸引{かくたんきゅういん}で、指示された吸引時間よりも長くなった場合、吸引後に注意すべき項目として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.動脈血酸素飽和度
この問題のポイント
気管カニューレ内部の喀痰吸引が長くなったときに起こりやすい危険を考える問題です。吸引中は気道内の空気も吸い出されるため、長時間の吸引では低酸素状態を起こすおそれがあり、吸引後は動脈血酸素飽和度を特に確認します。
解説
喀痰吸引では、痰だけでなく気道内の空気も吸引されます。気管カニューレ内部で指示された時間より長く吸引を続けると、肺に取り込まれる酸素が不足し、低酸素状態になる危険が高まります。そのため、吸引後に特に注意すべき項目は、パルスオキシメータで確認する動脈血酸素飽和度です。
動脈血酸素飽和度の数値だけでなく、呼吸回数と深さ、息苦しさ、顔色、口唇の色、意識状態、脈拍、胸の動きなども合わせて観察します。数値が本人の通常値より低下した、回復しない、呼吸状態が悪い、チアノーゼや意識変化がある場合は、決められた手順に従って直ちに看護職や医師へ報告します。
吸引は、必要なときに、指示された吸引圧と時間を守り、できるだけ短時間で行います。吸引中に苦しそうな表情、強い咳、顔色不良、脈拍の変化などがあれば、いったん中止して呼吸を整えます。介護福祉士が「まだ痰が残っていそうだから」と自己判断で長く続けてはいけません。
痰の色や量、粘度も日常的に重要な観察項目です。しかし本問は「吸引時間が長くなったことによる直接的な影響」を聞いているため、低酸素を捉える動脈血酸素飽和度が最も適切です。
ひっかけポイント
痰の色は感染や出血などを考える手がかりですが、吸引時間の超過によって最も急いで確認するのは酸素化です。設問の原因と観察項目を結びつけます。
介護実践でのポイント
吸引前の値と本人の通常値を把握し、吸引前後で比較します。異常があれば、再吸引を繰り返すのではなく、まず呼吸を確保して医療職へ報告します。
選択肢の確認
1.体温
適切ではありません。
体温は感染症の観察に重要ですが、吸引時間が長くなった直後に起こり得る低酸素状態を最も直接的に示す項目ではありません。
2.血糖値
適切ではありません。
血糖値は糖尿病管理などで重要ですが、長時間の喀痰吸引による直接的な影響を確認する項目ではありません。
3.動脈血酸素飽和度
正答。最も適切です。
長時間の吸引では気道内の空気も吸い出され、酸素化が低下する可能性があります。吸引後は動脈血酸素飽和度と呼吸状態を確認します。
4.痰{たん}の色
適切ではありません。
痰の色は感染、出血、痰の性状を把握するために重要ですが、吸引時間が長くなったことによる低酸素の評価として最優先ではありません。
5.唾液の量
適切ではありません。
唾液量は口腔内の乾燥や嚥下状態の観察に関係しますが、長時間吸引後の急性の危険を確認する項目としては適切ではありません。
覚えるポイント
長時間の吸引は、低酸素状態を起こす危険があります。
吸引後は、動脈血酸素飽和度、呼吸、顔色、意識、脈拍を観察します。
吸引圧と吸引時間を守り、異常時は中止して医療職へ速やかに報告します。