35Q60|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、成人の正常な呼吸状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。
この問題のポイント
正常な呼吸は、安静時に一定のリズムで静かに行われ、胸部や腹部が呼吸に合わせて規則的に動きます。
異常な呼吸では、呼吸数やリズムの変化だけでなく、異常な呼吸音、チアノーゼ、努力性呼吸、下顎呼吸などがみられます。
解説
呼吸では、息を吸うと胸郭が広がり、横隔膜が下がることで胸部や腹部が膨らみます。息を吐くと胸郭が小さくなり、胸部や腹部も元に戻ります。安静時にこの動きが一定のリズムで繰り返されている状態は、正常な呼吸状態と考えられます。
成人の安静時呼吸数は、おおむね1分間に12〜20回が目安です。ただし、呼吸状態は回数だけで判断せず、リズム、深さ、努力の有無、呼吸音、胸腹部の動き、顔色、口唇や爪の色、意識状態などを合わせて観察します。
ゴロゴロという音は気道内に分泌物がたまっている可能性を示します。爪が紫色になるチアノーゼは、低酸素状態や末梢循環不良が疑われる所見です。1分間に40回の呼吸は著しい頻呼吸であり、下顎呼吸は重篤な呼吸状態でみられる異常呼吸です。
ひっかけポイント
「胸や腹が動いている」だけでなく、「一定のリズム」である点が正常呼吸の判断に重要です。一方、ゴロゴロ音、紫色の爪、呼吸数40回、下顎呼吸はいずれも正常範囲ではありません。
介護実践でのポイント
呼吸は、本人に意識させると速さが変わることがあるため、安静にしているときに自然な状態を観察します。回数だけでなく、リズム、深さ、胸腹部の左右差、異常音、努力性呼吸、顔色、意識状態を確認し、普段との違いを記録・報告します。新たなチアノーゼ、強い呼吸困難、下顎呼吸、意識状態の悪化がみられた場合は、その場を離れず、応援を求めて緊急時手順に従い、必要時は119番通報につなげます。
選択肢の確認
1.胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。
正しいです。
正常な安静時呼吸では、吸気と呼気に伴って胸部や腹部が規則的に膨らんだり縮んだりします。呼吸に無理がなく、一定のリズムであることも重要です。
2.ゴロゴロとした音がする。
誤りです。
ゴロゴロという音は、気道内に痰などの分泌物がたまっている可能性を示す異常な呼吸音です。呼吸状態や喀痰の有無を観察し、必要に応じて報告します。
3.爪の色が紫色になっている。
誤りです。
爪や口唇が青紫色になる状態はチアノーゼと呼ばれ、低酸素状態や末梢循環不良などが疑われます。正常な呼吸状態を示す所見ではありません。
4.呼吸数が1分間に40回である。
誤りです。
成人の安静時呼吸数の目安を大きく上回る著しい頻呼吸です。発熱、疼痛、不安、肺や心臓の疾患、低酸素状態などの可能性を考え、ほかの症状と合わせて速やかに報告します。
5.下顎を上下させて呼吸している。
誤りです。
下顎呼吸は、下顎を動かしてあえぐように行う異常呼吸で、呼吸状態が著しく悪化したときにみられます。正常な呼吸ではなく、緊急性の高い所見です。
覚えるポイント
- 正常な呼吸は、安静時に静かで規則的に行われる。
- 成人の安静時呼吸数は、おおむね1分間に12〜20回が目安である。
- 呼吸は、回数、リズム、深さ、努力、音、胸腹部の動きを観察する。
- ゴロゴロ音は、気道内の分泌物を疑う。
- 口唇や爪の青紫色は、チアノーゼの可能性がある。
- 1分間に40回の呼吸は著しい頻呼吸である。
- 下顎呼吸は緊急性の高い異常呼吸である。
- 数値だけでなく、普段との違い、顔色、意識状態も合わせて判断する。