37Q91第37回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

次の記述のうち、パーキンソン病(Parkinson disease)で上肢の震えはあるが、自力摂取が可能な利用者の食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.片側の縁が高くなっている皿を準備する。

この問題のポイント

パーキンソン病による上肢の震えがあっても、自力で食べる力が残っている場合は、すぐに全面介助へ切り替えるのではなく、自助具や食器の工夫によって自力摂取を支えます。

この問題では、「上肢の震え」に対応する方法と、嚥下障害、視覚障害、食事姿勢への対応を区別します。

解説

パーキンソン病では、安静時振戦、筋固縮、無動・動作緩慢、姿勢反射障害などがみられます。上肢に震えがあると、スプーンで食べ物をすくうときに食べ物が皿の外へ逃げたり、口へ運ぶ途中でこぼれたりすることがあります。

片側の縁が高くなった皿は、食べ物を高い縁に押し当ててスプーンですくえるため、手の細かな操作が難しい人の自力摂取を助けます。必要に応じて滑り止めマット、握りやすい太い柄のスプーン、重さを調整した食具なども検討します。ただし、使いやすい用具は震えの程度や可動域によって異なるため、本人と一緒に試して選ぶことが大切です。

食事姿勢は、骨盤と体幹を安定させ、両足または足台で足底を支持することが基本です。時間がかかっても本人のペースを尊重し、必要な部分だけを支援します。また、経過とともに嚥下障害が生じる場合があるため、むせ、湿った声、食事時間の延長、口腔内の残留などにも注意します。

ひっかけポイント
「食事の介護」という言葉だけで、嚥下訓練や全介助を選ばないようにします。設問では「上肢の震えはあるが、自力摂取が可能」と示されているため、残存能力を生かす食器の工夫が優先されます。

介護実践でのポイント
食器を準備して終わりではなく、実際にすくいやすいか、疲労や食べこぼしが減ったかを観察します。薬が効いて動きやすい時間帯や本人の生活習慣も確認し、多職種と相談しながら環境を調整します。

選択肢の確認

1.食事後に口腔内{こうくうない}のアイスマッサージを行う。

誤りです。 口腔内のアイスマッサージは、嚥下反射を促す目的で、嚥下機能の評価に基づいて食前などに行われることがある方法です。設問には嚥下反射の低下が示されておらず、食後に行うことも、上肢の震えを補う対応にはなりません。

2.片側の縁が高くなっている皿を準備する。

正しいです。 食べ物を高い縁に押し当ててすくえるため、上肢の震えがあっても自分で食べる動作を続けやすくなります。残存能力を生かした自立支援として適切です。

3.上半身を後ろに20度程度倒すように伝える。

誤りです。 自力摂取が可能な人の基本姿勢は、体幹を安定させた座位です。上半身を後方へ倒す姿勢は、上肢の震えへの対応にはなりません。嚥下障害に対してリクライニング姿勢を用いる場合はありますが、専門的な評価に基づいて個別に設定します。

4.食器の置いてある位置を説明する。

誤りです。 食器の位置を説明する方法は、主に視覚障害のある人への支援です。設問には視覚障害が示されておらず、上肢の震えによって食べ物をすくいにくいという課題を直接解決しません。

5.踵{かかと}を床から浮かすように伝える。

誤りです。 踵を浮かせると足底による支持が不十分になり、体幹や食事動作が不安定になります。足底全体を床または足台につけ、安定した姿勢を整えることが基本です。

覚えるポイント

  • 上肢の震えがある人には、縁の高い皿、滑り止めマット、握りやすい食具などを活用する。
  • 自力摂取が可能なら、できない部分だけを補い、本人の力を奪わない。
  • 食事姿勢は、体幹を安定させ、足底を床または足台につける。
  • 震えだけでなく、食事時間、疲労、むせ、湿った声、口腔内残留の変化も観察する。

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