37Q72|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
介護保険施設における防災対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.災害時等に備えて、業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務づけられている。
この問題のポイント
介護施設・事業所には、感染症や自然災害が発生しても、利用者に必要な介護サービスを可能な限り継続し、早期に通常の状態へ復旧できるように業務継続計画を策定することが求められています。
個々の介護福祉士に課された義務と、施設・事業所に課された義務を区別することがポイントです。
解説
業務継続計画(BCP)は、感染症や自然災害などによって通常どおりの業務が困難になった場合でも、利用者の生命と生活を守るために、優先して継続する業務、職員の参集方法、指揮命令系統、連絡先、必要物資、代替手段などをあらかじめ定めておく計画です。
介護保険施設を含む介護サービス事業者には、運営基準に基づいてBCPを策定し、計画に沿った研修と訓練を行い、必要に応じて内容を見直すことが義務づけられています。計画書を作成して保管するだけでなく、職員が実際に行動できる状態にしておくことが重要です。
防災計画が主として避難や生命・身体の安全確保を目的とするのに対し、BCPは安全を確保したうえで、食事、排泄、服薬、医療的ケアなどの重要業務をどのように継続し、早期に復旧するかまでを扱います。
ひっかけポイント
災害派遣福祉チームへの参加、防災士資格、個別避難計画、備蓄、BCPはいずれも防災に関係します。しかし、すべての介護福祉士に義務づけられるものと、施設・事業所に求められるものは異なります。
介護実践でのポイント
災害時には、利用者ごとの移動方法、服薬、食形態、医療機器、意思疎通方法なども支援継続に影響します。平時から計画と自分の役割を確認し、訓練で明らかになった課題を施設内で共有します。
選択肢の確認
1.介護福祉士は、災害派遣福祉チームで活動することが義務づけられている。
誤りです。 災害派遣福祉チームは、被災地の避難所などで要配慮者の福祉ニーズを把握し、必要な支援を行う専門職チームです。所定の登録や研修、派遣調整を経た構成員が活動するもので、すべての介護福祉士に参加が義務づけられているわけではありません。
2.介護福祉士は、防災スキル向上のために、防災士の資格取得が義務づけられている。
誤りです。 防災に関する知識と技能を高めることは重要ですが、介護福祉士に防災士資格の取得を一律に義務づける規定はありません。施設内研修や訓練への参加とは区別します。
3.災害対策基本法に基づき、個別避難計画の作成が施設長に義務づけられている。
誤りです。 個別避難計画は、自力での避難が困難な避難行動要支援者について、市町村長が作成に努めるものです。市町村の努力義務であり、施設長に一律の作成義務を課したものではありません。施設が作成する非常災害対策計画などとも区別します。
4.一般的に、飲料水と非常食は1日分の備蓄が義務づけられている。
誤りです。 すべての介護保険施設に「一律に1日分」とする一般的な義務があるわけではありません。施設の規模、利用者の状態、立地、ライフラインの停止期間などを想定し、自治体の指針等も踏まえて必要量を検討します。
5.災害時等に備えて、業務継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定が義務づけられている。
正しいです。 介護施設・事業所には、感染症や自然災害が発生した場合でも必要な介護サービスを継続できるよう、BCPの策定が義務づけられています。策定に加えて研修、訓練、定期的な見直しも重要です。
覚えるポイント
- BCPは、非常時にも重要業務を継続し、または可能な限り早く復旧するための計画である。
- 介護施設・事業所には、BCPの策定、研修、訓練、見直しが求められる。
- 個別避難計画は市町村長の努力義務であり、施設長への一律の作成義務ではない。
- 個人に課された義務か、施設・事業所に課された義務かを区別する。