34Q20第34回 介護福祉士国家試験 過去問

介護介護の基本

Gさん(70歳、男性、要介護2)は、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断されていて、外出するときは車いすを使用している。歩行が不安定なため、週2回通所リハビリテーションを利用している。Gさんは、1年前に妻が亡くなり、息子と二人暮らしである。Gさんは社交的な性格で地域住民との交流を望んでいるが、自宅周辺は坂道や段差が多くて移動が難しく、交流ができていない。 Gさんの状況をICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)で考えた場合、参加制約の原因になっている環境因子として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.自宅周辺の坂道や段差

この問題のポイント

ICFでは、生活機能を病気や身体機能だけで説明せず、活動、参加、環境因子、個人因子の相互作用として捉えます。

Gさんが地域住民と交流できないという参加制約に対して、自宅周辺の坂道や段差という物理的環境が移動を妨げる阻害因子になっています。

解説

ICFにおける環境因子とは、本人を取り巻く物理的環境、人的・社会的環境、制度や周囲の態度などです。環境因子は、本人の活動や参加を助ける「促進因子」にも、妨げる「阻害因子」にもなります。

Gさんは社交的で、地域住民との交流を希望しています。しかし、自宅周辺に坂道や段差が多く、車いすでの移動が難しいため、交流できていません。したがって、参加制約の原因となる環境因子は、自宅周辺の坂道や段差です。

パーキンソン病は健康状態、不安定な歩行は心身機能や歩行活動に関係します。車いすは物的な環境因子ですが、Gさんの外出を可能にする促進因子として働いています。息子との同居も人的な環境因子になり得ますが、この事例では参加を妨げているとは示されていません。

ひっかけポイント

環境因子であれば全て参加制約の原因になるわけではありません。同じ環境因子でも、本人との関係によって促進因子にも阻害因子にもなります。車いすは環境因子ですが、本事例では移動を助ける側です。

介護実践でのポイント

外出できない原因を本人の病気や歩行能力だけに求めず、道路、段差、交通手段、介助者、地域サービスなども確認します。段差の少ない経路、移動支援、福祉車両、地域活動の開催場所などを本人と検討し、希望する交流へ参加できる環境を整えます。

選択肢の確認

1.パーキンソン病(Parkinson disease)

誤りです。
パーキンソン病は、ICFではGさんの健康状態に当たります。本人の外側にある環境因子ではありません。

2.不安定な歩行

誤りです。
不安定な歩行は、身体機能の障害や歩行という活動の制限に関係します。物理的・社会的な環境因子ではありません。

3.息子と二人暮らし

誤りです。
家族との関係や支援は環境因子に含まれますが、息子との同居が地域交流を妨げているとは示されていません。支援の状況によっては促進因子にもなります。

4.自宅周辺の坂道や段差

正しいです。
本人の外側にある物理的環境であり、車いすでの移動を妨げ、地域住民との交流という参加を制限する阻害因子です。

5.車いす

誤りです。
車いすは移動用の製品・用具として環境因子に含まれますが、Gさんの外出を助ける促進因子です。本事例で参加を妨げているのは坂道や段差です。

覚えるポイント

  • ICFは、健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、背景因子から捉える。
  • 環境因子には、物理的環境、支援者、制度、周囲の態度などがある。
  • 環境因子は、促進因子にも阻害因子にもなる。
  • パーキンソン病は健康状態である。
  • 不安定な歩行は、心身機能や活動に関係する。
  • 地域住民との交流ができないことは参加制約である。
  • 坂道や段差は、車いす移動を妨げる物理的な阻害因子である。
  • 車いすは、移動と参加を助ける促進因子になり得る。

関連問題

34Q1934Q21
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)