37Q62|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、消化器症状の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.腹部膨満感は、腹部が張る感覚のことである。
この問題のポイント
腹部膨満感、しゃっくり、胸やけ、げっぷ、嘔気という消化器症状の意味を区別する問題です。
症状名は似ていても、本人が感じる感覚なのか、実際に起きている現象なのかが異なります。介護場面では、言葉の意味を正しく理解して観察内容を医療職へ伝えることが大切です。
解説
腹部膨満感は、腹部が張る、いっぱいに感じる、圧迫されるように感じるといった自覚症状です。便秘、腸管内のガス、消化管運動の低下など、さまざまな原因で生じます。
しゃっくりは吃逆ともいい、横隔膜などの呼吸筋が不随意にけいれん性収縮し、その直後に声門が閉じることで特徴的な音が出る現象です。「胸膜の刺激で起こる現象」と説明するのは適切ではありません。
胸やけは、胃酸や胃内容物が食道へ逆流することなどによって、胸骨の後ろ付近に焼けるような不快感を覚える症状です。熱い飲食物によって食道が実際に熱傷を負った状態を意味する言葉ではありません。
げっぷは噯気ともいい、胃や食道にたまった空気やガスが口から排出されることです。嘔気は「吐きそう」「気持ちが悪い」という感覚であり、胃や腸の内容物を実際に口外へ吐き出す嘔吐とは区別します。
ひっかけポイント
嘔気は「吐きそうな感覚」、嘔吐は「内容物を実際に吐き出す現象」です。症状と現象を混同しないようにします。
介護実践でのポイント
消化器症状があるときは、発症時刻、腹痛、腹部の張り、排便状況、嘔吐の有無、食事・水分摂取量、便や吐物への血液混入などを観察し、必要に応じて看護職等へ報告します。
選択肢の確認
1.腹部膨満感は、腹部が張る感覚のことである。
正答。最も適切です。
腹部膨満感は、腹部が張る、いっぱいで苦しい、圧迫されるように感じるなどの自覚症状です。
2.しゃっくり(吃逆{きつぎゃく})は、胸膜の刺激で起こる現象である。
誤り。
しゃっくりは、横隔膜などが不随意にけいれん性収縮し、声門が急に閉じることで起こります。胸膜の刺激そのものを定義とする現象ではありません。
3.胸やけは、飲食物による食道の熱傷のことである。
誤り。
胸やけは、胃酸や胃内容物の逆流などによって生じる、胸の奥が焼けるような不快感です。飲食物による実際の熱傷を指す言葉ではありません。
4.げっぷ(噯気)は、咽頭にたまった空気が排出されることである。
誤り。
げっぷは、主に胃や食道にたまった空気やガスが食道を通って口から出る現象です。咽頭にたまった空気の排出という説明ではありません。
5.嘔気{おうき}は、胃や腸の内容物が、食道を逆流して口外に吐き出されることである。
誤り。
この説明は嘔吐に当たります。嘔気は、吐きそうな不快感や吐き気を感じる状態で、内容物が口外へ出ているとは限りません。
覚えるポイント
腹部膨満感は、腹部が張るという自覚症状です。
しゃっくりは、横隔膜などのけいれん性収縮と声門閉鎖で起こります。
胸やけは、胃酸などの逆流による焼けるような不快感です。
げっぷは、胃や食道の空気・ガスが口から出る現象です。
嘔気は吐きそうな感覚、嘔吐は内容物を実際に吐き出す現象です。