37Q61|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護福祉士が行う口腔内{こうくうない}の喀痰吸引{かくたんきゅういん}の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.吸引チューブを回転させながら痰{たん}を吸引する。
この問題のポイント
口腔内の喀痰吸引で、介護福祉士が守るべき吸引範囲、吸引圧、チューブ操作、洗浄の順序を見分ける問題です。
介護福祉士が喀痰吸引を行うときは、所定の研修や登録、医師の指示、看護職等との連携の下で、あらかじめ定められた手順を守ります。介護福祉士がその場で吸引圧や実施方法を独自に決めるものではありません。
解説
口腔内吸引では、本人に説明して意思を確認し、呼吸状態、顔色、痰のたまり方、口腔内の状態などを観察してから行います。吸引できる範囲は咽頭より手前の口腔内で、主に両頬の内側や舌の上下周囲にたまった痰や唾液です。
吸引チューブは、粘膜を吸い付けて傷つけないように、陰圧をかけない状態で静かに挿入します。その後、チューブを一か所に止めず、こよりをよるように左右へ回転させながら動かして吸引します。こうすると、同じ場所に吸引圧が集中するのを避けながら、分泌物を効率よく除去できます。
吸引圧は、医師の指示や個別の手順書に示された値に設定されていることを確認します。利用者の体調を観察することは重要ですが、その場で介護福祉士が独断で圧を決めることはできません。
吸引後にチューブを洗浄するときは、外側に付着した痰を清浄綿やアルコール綿などで先に拭き取り、その後に洗浄水を吸引して内側を洗います。外側に痰が付いたまま洗浄水へ入れると、洗浄水を汚染するおそれがあります。
ひっかけポイント
「挿入するときは陰圧をかけない」「咽頭より手前にとどめる」「動かしながら短時間で吸引する」「外側を拭いてから内側を洗う」という順序を整理します。
介護実践でのポイント
吸引中に顔色不良、強い咳、呼吸苦、出血、意識状態の変化などがみられた場合は、直ちに中止して安全を確保し、看護職等へ報告します。吸引後も呼吸状態や痰の性状を観察します。
選択肢の確認
1.吸引圧は、利用者の体調によって介護福祉士が決める。
誤り。
利用者の体調は必ず観察しますが、吸引圧は医師の指示や個別の実施手順に基づく決められた値を確認します。介護福祉士が独断で設定するものではありません。
2.吸引圧をかけた状態で、吸引チューブを挿入する。
誤り。
口腔内へ挿入するときは、粘膜を吸い付けて傷つけないように陰圧をかけない状態で静かに入れます。適切な位置に入れてから吸引します。
3.口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
誤り。
介護福祉士が行う口腔内吸引は、咽頭より手前の口腔内に限られます。口の奥まで入れると、咽頭後壁などを刺激して嘔吐反射や粘膜損傷を起こすおそれがあります。
4.吸引チューブを回転させながら痰{たん}を吸引する。
正答。最も適切です。
チューブを一か所に止めず、左右に回転させながら動かして吸引すると、同じ場所への圧の集中を避け、痰や唾液を効率よく吸引できます。
5.吸引後は洗浄水を吸引し、清浄綿でチューブを拭く。
誤り。
洗浄の順序が逆です。まずチューブ外側の痰を清浄綿やアルコール綿などで拭き取り、その後に洗浄水を吸引して内側を洗います。
覚えるポイント
口腔内吸引は、咽頭より手前の範囲で行います。
吸引圧は独断で決めず、医師の指示と個別の手順を確認します。
チューブは陰圧をかけずに挿入し、動かしながら短時間で吸引します。
洗浄は、チューブ外側を拭いてから洗浄水を吸引する順です。
実施前後には、本人への説明と、呼吸状態・顔色・痰の性状の観察が必要です。