37Q60第37回 介護福祉士国家試験 過去問

医療的ケア医療的ケア

次の記述のうち、痰{たん}を喀出{かくしゅつ}する仕組みに関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。

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正解: 4

正答

4.痰{たん}は、咳{せき}や咳払{せきばら}いによって排出される。

この問題のポイント

気道の粘液、線毛運動、咳反射によって、分泌物や異物が排出される仕組みを理解する問題です。

気道の分泌物は線毛運動によって咽頭方向へ運ばれます。量が多い、粘りが強いなどの場合には、咳や咳払いによって口から痰として排出されます。

解説

鼻腔、気管、気管支などの呼吸器官の内面は、乾燥しているのではなく、粘液によって湿った状態に保たれています。この粘液は、吸い込んだほこりや細菌などの異物をとらえ、気道の粘膜を保護します。

気管や気管支の粘膜には線毛があります。線毛は一定の方向へ動き、異物をとらえた粘液を肺側から咽頭側へ運びます。この仕組みを粘液線毛クリアランスといいます。

咽頭まで運ばれた少量の分泌物は、通常、本人が意識しないうちに唾液とともに飲み込まれます。感染症などで分泌物が増えたり粘りが強くなったりすると、線毛運動だけでは処理しにくくなります。気道への刺激で咳反射が起こると、強い呼気によって分泌物が口から痰として排出されます。軽い咳払いでも、喉の近くにある分泌物を排出できます。

咳反射の中枢は下垂体ではなく、脳幹の延髄にあります。気道の刺激が神経を通って延髄へ伝わり、呼吸筋や喉頭の筋へ指令が送られます。深く息を吸う、声門を閉じる、胸腔内圧を高める、声門を開いて勢いよく息を吐くという一連の動きによって、痰や異物を外へ出します。

ひっかけポイント
気管の表面にあるのは「線毛」であり、線毛は分泌物の侵入を防ぐのではありません。粘液にとらえられた異物や分泌物を咽頭方向へ運びます。

介護実践でのポイント
痰の量、色、粘り、におい、血液の混入、咳の強さ、呼吸状態を観察します。本人の状態と指示に沿って水分、加湿、体位、咳の援助などを行い、痰を出せず呼吸が苦しい場合は速やかに医療職へ報告します。

選択肢の確認

1.呼吸器官の内部は乾燥した状態になっている。

誤りです。 呼吸器官の内面は粘液によって湿った状態に保たれています。粘液は気道を保護し、吸い込んだ異物をとらえます。

2.気管の内部の表面には絨毛{じゅうもう}があり、分泌物の侵入を防いでいる。

誤りです。 気管粘膜にあるのは線毛であり、粘液にとらえられた異物や分泌物を咽頭方向へ運びます。分泌物そのものの侵入を防ぐという説明も正しくありません。

3.分泌物は、咽頭で吸収される。

誤りです。 咽頭まで運ばれた少量の分泌物は、通常、唾液とともに飲み込まれます。咽頭で吸収されるわけではありません。

4.痰{たん}は、咳{せき}や咳払{せきばら}いによって排出される。

正しいです。 気道内の分泌物は、咳反射による強い呼気や咳払いによって口から痰として排出されます。

5.咳{せき}は、下垂体にある咳中枢{せきちゅうすう}によっておこる反射運動である。

誤りです。 咳反射の中枢は、下垂体ではなく脳幹の延髄にあります。気道の刺激が神経を通して延髄へ伝わることで咳が起こります。

覚えるポイント

  • 気道の内面は、粘液によって湿った状態に保たれている。
  • 粘液は、吸い込んだほこりや細菌などの異物をとらえる。
  • 線毛は、粘液と異物を咽頭方向へ運ぶ。
  • 痰は、咳や咳払いによって口から排出される。
  • 咳中枢は、脳幹の延髄にある。

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