37Q45|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、「認知症(dementia)の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン」(2018年(平成30年)(厚生労働省))で示されている、意思決定支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。
この問題のポイント
認知症の人に対する意思決定支援が、誰の意思を中心に、どのように行われるかを理解する問題です。
本人が言葉で十分に表現できない場合でも、身振り、表情、視線、声の調子、行動などを意思表示として読み取る努力を行い、本人の意思や選好を尊重します。
解説
意思決定支援の中心にいるのは、認知症のある本人です。家族や支援者が本人に代わって最初から結論を決めるのではなく、本人が理解しやすい説明を受け、自分の意思を形成し、表明し、実現できるように支援します。
認知症があっても、すべての意思決定能力が失われるわけではありません。決める内容の難しさ、説明方法、時間帯、体調、周囲の環境によって、本人が意思を示せる程度は変わります。わかりやすい言葉や写真、実物、選びやすい選択肢を用い、落ち着いた環境で確認します。
言語による表現が難しいときは、身振り、表情、視線、うなずき、拒否する動きなども重要な意思表示です。支援者は、生活歴、価値観、これまでの選択も参考にしながら、現在の本人の反応を丁寧に読み取ります。
意思は状況や時間の経過によって変わることがあります。一度決めた内容を固定せず、繰り返し確認し、必要に応じて支援方法や計画を見直します。支援者は特定の職種に限定されず、本人、家族、介護職、医療職、相談支援職などが連携します。
ひっかけポイント
家族の意向は重要な情報ですが、意思決定支援の対象は本人です。「家族が決めること」と「本人が決められるように家族も支えること」は異なります。
介護実践でのポイント
説明後に返事だけを求めるのではなく、本人が理解できたか、選択肢を比べられたか、表情や行動に無理がないかを確認します。意思を示しやすい時間帯や場所を選び、記録してチームで共有します。
選択肢の確認
1.認知症(dementia)の人の家族の意思を支援することである。
誤り。
意思決定支援の中心は認知症のある本人です。家族の意向も確認しますが、本人の意思や選好を尊重し、本人が決められるように支援します。
2.意思決定支援者は特定の職種に限定される。
誤り。
意思決定支援は特定の職種だけが行うものではありません。本人に関わる家族、介護職、医療職、相談支援職などが、それぞれの立場で連携して支えます。
3.一度、意思決定したら、最後まで同じ内容で支援する。
誤り。
本人の意思は、体調、環境、経験、時間の経過によって変わることがあります。意思を繰り返し確認し、必要に応じて支援内容を見直します。
4.看取りの場面になってから支援を開始する。
誤り。
意思決定支援は、食事、衣服、外出、サービス利用、住まいなど、日常生活のさまざまな場面で早い段階から行います。看取りに限られません。
5.身振りや表情の変化も意思表示として読み取る努力を最大限に行う。
正答。最も適切です。
言葉による意思表示が難しい場合でも、身振り、表情、視線、行動などを本人の意思表示として丁寧に読み取ることが求められます。
覚えるポイント
意思決定支援の中心は、認知症のある本人です。
認知症があることだけで、意思決定能力がないと決めつけません。
わかりやすい情報、選びやすい環境、十分な時間を用意します。
身振り、表情、視線、行動も意思表示として読み取ります。
意思は変わり得るため、繰り返し確認し、支援内容を見直します。