37Q3|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
人間関係と心理に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.自己同一性の確立とは、自分とは何かという認識をもつことである。
この問題のポイント
自己愛、自己同一性、自我、自己覚知、自己中心性は、似た言葉に見えて意味が異なります。
この問題では、それぞれの用語が「自分をどう認識するか」「自分の感情や価値観に気づくこと」「他者の立場を考えられるか」といった、どの側面を表すのかを区別します。
解説
自己同一性は、アイデンティティともいいます。「自分は何者か」「何を大切にし、どのような役割や生き方を選ぶのか」という、自分についての一貫した認識です。過去から現在、将来へと続く自分の連続性を感じられることも含まれます。したがって、「自己同一性の確立とは、自分とは何かという認識をもつことである」とする選択肢2が適切です。
自己愛は、自分自身に向けられる関心や愛情、自分を大切に思う感情です。適度な自己愛は自尊感情にも関係しますが、選択肢1の「自分という存在を他人と区別して意識すること」は、自己と他者を区別して認識する自己意識に近い説明です。
自我は、自分の欲求、社会的な規範、現実の条件などを調整しながら行動を選ぶ心の働きとして説明されます。選択肢3の「表面化していない意識」は、無意識に近い説明であり、自我そのものではありません。
自己覚知は、自分の感情、価値観、考え方、得意・不得意、偏りなどに気づくことです。介護福祉職にとっては、自分の価値観を利用者へ押しつけていないか、自分の感情が対応に影響していないかを振り返るために重要です。自分について相手に話すことは自己開示であり、自己覚知とは異なります。
自己中心性は、自分の視点を中心に物事をとらえ、他者の視点や立場を十分に考えにくい傾向です。自分の意思で行動を調整することは、自己統制やセルフコントロールに近い意味です。
ひっかけポイント
「自己覚知」と「自己開示」は頻出の組合せです。自己覚知は自分を理解すること、自己開示は自分の経験や感情などを相手に伝えることです。
介護実践でのポイント
介護福祉職が自己覚知を深めると、「自分ならこうする」という価値観と、利用者本人が望むことを区別しやすくなります。利用者を理解する前に、自分の先入観や感情にも気づくことが大切です。
選択肢の確認
1.自己愛とは、自分という存在を、他人と区別して意識することである。
誤り。
自己愛は、自分自身に向ける関心や愛情、自分を大切に思う感情です。自分と他者を区別して意識することは、自己意識に近い説明です。
2.自己同一性の確立とは、自分とは何かという認識をもつことである。
正答。最も適切です。
自己同一性は、自分が何者であるか、何を大切にして生きるかという一貫した自己認識です。アイデンティティとも呼ばれます。
3.自我とは、日常行動に影響を与える、表面化していない意識のことである。
誤り。
表面化していない意識は無意識に近い説明です。自我は、欲求、現実、規範などを調整し、現実に適応した行動を選ぶ心の働きとして理解されます。
4.自己覚知とは、コミュニケーションにおいて自分について話すことである。
誤り。
自分について話すことは自己開示です。自己覚知は、自分の感情、価値観、考え方、行動の傾向などを自分自身で理解することです。
5.自己中心性とは、自分の意思で自分の行動をコントロールすることである。
誤り。
自分の行動を調整することは自己統制やセルフコントロールです。自己中心性は、自分の視点を中心に考え、他者の立場を十分にとらえにくい傾向を指します。
覚えるポイント
自己愛は、自分自身への関心や愛情です。
自己同一性は、「自分は何者か」という一貫した自己認識です。
自我は、欲求、規範、現実を調整する心の働きです。
自己覚知は自分を理解すること、自己開示は自分について相手に話すことです。
自己中心性は自分の視点に偏ること、自己統制は自分の行動を調整することです。