37Q112|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の事例を読んで、問題112、問題113について答えなさい。 〔事 例〕 Bさん(42歳、女性、障害支援区分3)は、知的障害があり、母親と二人暮らしである。日中は生活介護事業所に通っている。日常生活動作の一部に見守りが必要である。個別支援計画の短期目標を、「見守りのもと、トイレで排泄{はいせつ}ができる」としている。 しかし、最近、排泄{はいせつ}のときに下着やズボンを汚してしまい、それをほかの利用者にからかわれ、しばらく一人でいる様子があったと生活支援員から申し送りがあった。 ある日、事業所長が話しかけると、Bさんは、「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話した。母親からも電話で、「これからは紙おむつを使うように勧めているのだけど、使いたくないとBは話している」とサービス管理責任者に連絡があった。 次のうち、Bさんがしばらく一人でいた様子を理解するために必要な情報として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 4
正答
4.ほかの利用者との関係
この問題のポイント
Bさんが一人でいるようになった直前には、排泄で衣類を汚したことを、ほかの利用者からからかわれたという出来事があります。
行動の背景を理解するときは、その行動と時間的・内容的に最も直接関係する情報から優先して確認します。
解説
Bさんは、排泄時に下着やズボンを汚したことをほかの利用者からからかわれ、その後しばらく一人で過ごしています。また、「トイレで失敗したら恥ずかしい」と元気なく話しています。これらの情報から、からかわれた経験による恥ずかしさ、不安、傷つきが、ほかの利用者との関わりを避ける行動につながった可能性があります。
したがって、Bさんが一人でいた様子を理解するためには、ほかの利用者との関係を最優先で確認します。具体的には、誰からどのような言葉を言われたのか、以前から同様のことがあったのか、Bさんはどのように感じたのか、今も不安や危険を感じているのかなどを、本人が安心して話せる場所と方法で確認します。
ただし、介護福祉職が「からかわれたから一人になった」と結論づけてはいけません。本人の言葉を中心にしながら、生活支援員の観察、ほかの職員の記録、必要に応じて周囲の状況も確認して、事実と解釈を区別します。
排泄の失敗は、非常に私的で羞恥心を伴いやすい出来事です。人前で詳しく質問したり、ほかの利用者の前で注意したりせず、Bさんのプライバシーと尊厳を守ります。からかいが繰り返されないよう、事業所全体で人間関係と環境を整えることも必要です。
ひっかけポイント
Bさんの生活には母親や複数の職員も関わっていますが、「しばらく一人でいた」という行動の直前に起きた出来事は、ほかの利用者からのからかいです。最も直接関連する情報を優先します。
介護実践でのポイント
Bさんだけに「気にしないように」と求めるのではなく、からかいを防ぎ、安心して事業所を利用できる環境を整えます。本人の了承とプライバシーに配慮しながら、職員間で必要な情報を共有します。
選択肢の確認
1.サービス管理責任者との関係
誤りです。 サービス管理責任者との関係を確認することも必要になる場合はありますが、事例には、その関係がBさんの孤立につながったことを示す情報はありません。
2.生活支援員との関係
誤りです。 生活支援員はBさんが一人でいる様子を観察し、申し送りをしています。生活支援員との問題は示されておらず、今回の行動に最も直接関係する情報ではありません。
3.事業所長との関係
誤りです。 事業所長が話しかけたとき、Bさんは「失敗したら恥ずかしい」と気持ちを話しています。事業所長との関係に問題があることを示す情報はありません。
4.ほかの利用者との関係
正しいです。 Bさんは、ほかの利用者から排泄の失敗をからかわれた後に、一人で過ごすようになっています。そのため、ほかの利用者との関係や、からかいによってBさんが受けた影響を最優先で確認します。
5.母親との関係
誤りです。 母親が紙おむつを勧め、Bさんが拒否していることは、今後の排泄支援を考えるうえでは重要です。しかし、一人でいた行動の直前の出来事は、ほかの利用者からのからかいであり、最優先の情報ではありません。
覚えるポイント
- 行動を理解するときは、行動の直前に起きた出来事や本人の言葉を確認する。
- この事例では、ほかの利用者からからかわれたことと、一人で過ごしたことの関連が重要である。
- 事実と支援者の解釈を区別し、本人に確認する。
- 排泄に関する情報は、プライバシーと羞恥心に十分配慮して扱う。
- 本人だけに対応を求めず、からかいを防ぐ環境づくりも行う。