37Q107|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
生活課題に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.利用者のニーズを判断の基盤にする。
この問題のポイント
生活課題は、利用者が望む生活の実現に向けて、解決・改善・維持する必要がある事柄です。家族や介護福祉職の都合ではなく、利用者本人のニーズを判断の基盤にします。
解説
生活課題は、収集した情報を分析・解釈・統合し、利用者が望む生活と現在の生活との間にある課題を明らかにしたものです。単に「できないこと」や「介護福祉職がしてあげたいこと」を並べるのではなく、利用者の希望、価値観、生活歴、心身の状態、生活環境、残存能力や強みなどを総合的に捉えます。
利用者の要望はニーズを把握するための重要な情報ですが、要望とニーズは必ずしも同じではありません。たとえば、「すべて手伝ってほしい」という要望の背景に「失敗するのが怖い」という気持ちがあれば、安全に自分でできる方法を獲得することが真のニーズである可能性もあります。本人との対話を通して、要望の背景まで確認することが必要です。
生活課題が複数ある場合は、一つに集約するのではなく、生命・安全への影響、本人にとっての重要性、課題同士の関係、緊急性などを検討して優先順位をつけます。家族の意向も重要な情報ですが、家族の立場だけで決めるのではなく、利用者本人を中心に検討します。
ひっかけポイント
「利用者中心」とは、生命の危機があっても本人の意向だけを無条件に優先するという意味ではありません。差し迫った危険があるときは安全を確保し、必要な緊急対応を行いながら、本人への説明と意思確認を続けます。
介護実践でのポイント
生活課題は、「入浴できない」のような欠点だけの表現ではなく、「安心して自宅の浴室で入浴したい」のように、利用者を主語にして望む生活が伝わる表現にします。本人の強みやできていることも支援に生かします。
選択肢の確認
1.家族の立場から検討する。
誤りです。 家族の意向や介護力も重要な情報ですが、生活課題は利用者本人の立場とニーズを中心に検討します。家族の立場だけで判断するのは不適切です。
2.利用者のニーズを判断の基盤にする。
正しいです。 利用者の希望、価値観、生活状況などから把握したニーズを基盤として、本人が望む生活の実現に必要な生活課題を明らかにします。
3.利用者の要望を1つに集約する。
誤りです。 利用者には複数の要望やニーズがあることが一般的です。無理に一つへ集約せず、それぞれの背景や関連性を分析して優先順位を検討します。
4.介護福祉職の主観を尊重する。
誤りです。 介護福祉職の主観ではなく、利用者の言葉、観察した事実、他職種からの情報などを根拠に、利用者中心の判断を行います。
5.生命の危機よりも利用者の意向を優先する。
誤りです。 利用者の意思は尊重しますが、生命に差し迫った危険がある場合は、まず安全確保と必要な緊急対応を行います。そのうえで本人に説明し、意思や価値観を確認します。
覚えるポイント
- 生活課題は、利用者が望む生活を実現するための課題である。
- 判断の基盤は、介護福祉職や家族の都合ではなく利用者のニーズである。
- 要望の言葉だけでなく、その背景にある思いや原因を確認する。
- 複数の生活課題は一つにまとめず、緊急性や重要性を踏まえて優先順位をつける。
- 利用者を主語にし、強みを生かせる形で生活課題を表現する。