36Q97|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
訪問介護員(ホームヘルパー)が行う見守り的援助として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1.ゴミの分別ができるように声をかける。
この問題のポイント
訪問介護における「見守り的援助」と、訪問介護員が家事を代行する生活援助との違いを見分ける問題です。
見守り的援助は、利用者が自分で生活行為を行えるように、そばで安全を確認し、声かけや必要最小限の介助を行う支援です。
解説
自立生活支援のための見守り的援助は、利用者のADLやIADL、生活の質の維持・向上を目的として、安全を確保しながら、利用者と訪問介護員が一緒に生活行為を行うものです。
ゴミの分別がわからない利用者に、分別方法を声かけし、一緒に確認することは、利用者がルールを理解したり思い出したりして、自分でゴミ出しを続けられるようにする支援です。訪問介護員がすべて代わって行うのではなく、本人の能力を使うところがポイントです。
洗濯物を干す、冷蔵庫を整理する、配膳するなどの行為も、利用者と一緒に行い、安全確認や声かけをしながら本人の能力を活かす場合は、見守り的援助となることがあります。しかし、選択肢2、4、5は、訪問介護員が本人に代わって単独で行う内容になっています。
賞味期限が切れた食品であっても、本人の所有物です。訪問介護員が本人の意思を確認せずに捨ててはいけません。食品の状態や安全性を説明し、本人と一緒に確認して決めます。
着られなくなった服を作り直すことは、通常の簡単な被服補修を超える作業であり、見守り的援助の説明ではありません。
ひっかけポイント
同じ家事でも、「訪問介護員が代わりに行う」のか、「本人と一緒に行い、声かけや見守りで能力を引き出す」のかで位置づけが変わります。
介護実践でのポイント
見守り的援助では、できないところだけを補い、本人ができたことを確認します。安全のために介助しすぎて、本人の役割や生活能力を奪わないことが大切です。
選択肢の確認
1.ゴミの分別ができるように声をかける。
正答。最も適切です。
利用者が自分で分別できるように、声かけや確認を行うことは、自立生活支援のための見守り的援助に該当します。
2.利用者がテレビを見ている間に洗濯物を干す。
適切ではありません。
訪問介護員が単独で洗濯物を干しており、本人の生活能力を活かす見守り的援助ではなく、家事の代行です。一緒に干し、必要時だけ支援する場合は見守り的援助になり得ます。
3.着られなくなった服を作り直す。
適切ではありません。
衣服を作り直すことは、通常の簡単な被服補修を超える作業です。また、本人の動作を見守り支える内容でもありません。
4.調理したものを盛り付け、食事を提供する。
適切ではありません。
訪問介護員が一方的に配膳しており、本人と一緒に行って能力を活かす内容ではありません。見守り的援助では、本人ができる盛り付けや配膳を行い、必要な部分だけ支援します。
5.冷蔵庫の中を整理し、賞味期限が切れた食品を捨てておく。
適切ではありません。
本人の意思を確認せず、訪問介護員が単独で整理や廃棄をしています。本人と一緒に食品を確認し、安全性を説明したうえで、本人の判断を支えることが必要です。
覚えるポイント
見守り的援助は、自立支援と重度化防止を目的とします。
基本は、本人と一緒に行い、声かけと安全確認を行うことです。
介助は必要な部分だけにし、本人の能力と役割を活かします。
家事をすべて代行する生活援助とは区別します。
本人の所有物を、同意なく処分してはいけません。