36Q93|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
身体機能が低下している高齢者が、ストレッチャータイプの特殊浴槽を利用するときの入浴介護の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.背部を洗うときは、側臥位{そくがい}にして行う。
この問題のポイント
ストレッチャータイプの特殊浴槽を利用する人に対し、安全と安楽を保ちながら洗身する方法を問う問題です。
背部を洗うときは、身体を安全に支えながら側臥位にすると、背中を確認しやすく、無理なく洗うことができます。
解説
ストレッチャータイプの特殊浴槽は、座位や立位の保持が難しい人が、臥位のまま入浴できる設備です。身体機能が低下している人では、急な体位変換、湯温や水圧による循環への負担、滑落、皮膚損傷、羞恥心への配慮が重要になります。
背部を洗う場合は、利用者へ声をかけ、身体を支えながら側臥位にします。必要に応じて複数の介護福祉職で協力し、肩、骨盤、下肢の位置を整え、ストレッチャーからの転落を防ぎます。側臥位にすることで、背部の皮膚を直接観察しながら、強くこすらずに洗うことができます。
二人の介護福祉職が洗髪と洗身を同時に行うと、利用者が複数方向から刺激を受け、驚きや不安、疲労につながります。本人へ次に何をするかを説明し、反応を確かめながら、一つずつ進めることが基本です。
固定ベルトは、機器の使用方法と利用者の体格に合わせて、身体を安全に保持する位置へ装着します。両腕の上から締めると上肢を圧迫し、姿勢変化への対応も妨げるため不適切です。
湯に首までつかると、水圧によって胸部が圧迫され、呼吸や循環への負担が増す可能性があります。湯の深さと入浴時間は一律に決めず、本人の体調、心肺機能、湯温、疲労の程度に合わせ、顔色、呼吸、表情を継続して観察します。
ひっかけポイント
特殊浴槽を使えば自動的に安全になるわけではありません。機器の確認、転落防止、体位保持、声かけ、皮膚観察、入浴中の体調観察が必要です。
介護実践でのポイント
入浴前後にバイタルサインや体調を確認し、固定部位の圧迫、関節の無理な位置、湯による息苦しさや顔色不良がないかを観察します。異常があれば直ちに入浴を中止し、看護職員等へ報告します。
選択肢の確認
1.介護福祉職2名で、洗髪と洗身を同時に行う。
適切ではありません。
複数の刺激を同時に与えると、利用者が不安や疲労を感じやすくなります。次の動作を説明し、本人の反応を確認しながら一つずつ行います。
2.背部を洗うときは、側臥位{そくがい}にして行う。
正答。最も適切です。
身体を安全に支えながら側臥位にすると、背部を観察し、無理なく洗身できます。転落や関節のねじれを防ぐため、必要な人数で行います。
3.浴槽に入るときは、両腕の上から固定ベルトを装着する。
適切ではありません。
両腕の上から固定すると上肢を圧迫し、身体の動きや安全な姿勢保持を妨げます。固定ベルトは機器の説明書と施設の手順に従い、適切な位置へ装着します。
4.浴槽では、首までつかるようにする。
適切ではありません。
首までの入浴は胸部への水圧が大きくなり、呼吸や循環へ負担をかける可能性があります。体調に合わせて適切な水位にします。
5.浴槽につかる時間は、20分程度とする。
適切ではありません。
身体機能が低下した高齢者にとって20分の入浴は負担になることがあります。入浴時間を一律にせず、本人の状態と反応を見ながら短時間で調整します。
覚えるポイント
ストレッチャー浴では、臥位保持が必要な人の安全と安楽を最優先します。
背部は、身体を支えながら側臥位にして洗います。
固定ベルトは上肢を圧迫せず、機器の正しい位置に装着します。
水位と入浴時間は一律にせず、心肺機能や体調に合わせます。
声かけ、皮膚観察、転落防止、入浴中の体調観察を継続します。