36Q91第36回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

介護老人福祉施設の一般浴(個浴)で、右片麻痺{みぎかたまひ}の利用者が移乗台に座っている。その状態から安全に入浴をするための介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.「浴槽内では、足で浴槽の壁を押すようにして姿勢を安定させましょう」

この問題のポイント

右片麻痺のある利用者が、移乗台から浴槽へ移り、浴槽内で安全な姿勢を保つ方法を見分ける問題です。

浴槽内では浮力によって臀部が前方へ滑りやすくなります。足を浴槽の壁に当てて押すことで、下肢を支点にして身体のずれを抑え、座位を安定させることができます。

解説

片麻痺のある利用者の入浴では、麻痺側と非麻痺側の機能、座位・立位の安定性、関節可動域、感覚障害、浴槽の深さ、手すりや移乗台の位置を確認します。そのうえで、利用者ができる動作を活かし、必要な部分だけを支援します。

右片麻痺の場合、左側が非麻痺側です。移乗台から浴槽に入るときは、非麻痺側の左下肢を先に浴槽へ入れ、麻痺側の右下肢は必要に応じて支援するのが基本です。麻痺側から先に入れると、麻痺側で身体を支える場面が生じやすく、バランスを崩す危険があります。

湯につかると、浮力によって身体が軽くなる一方、臀部が浮いたり前方へ滑ったりしやすくなります。足底を浴槽の壁に当てて押すと、下肢が支点となり、骨盤と体幹の位置を保ちやすくなります。利用者の足が壁に届くか、麻痺側の下肢に無理な力が加わっていないかを確認し、必要に応じて介護福祉職が姿勢を支えます。

浴槽内で足を伸ばして壁にもたれると、浮力で臀部が前へ滑り、顔が湯に近づく危険があります。また、浴槽から立ち上がるときは、真上へ伸び上がるのではなく、手すり等を使いながら体幹を前傾させ、重心を足の上へ移してから立ち上がることが安全につながります。

ひっかけポイント
片麻痺のある人の浴槽への出入りでは、「入るときは非麻痺側から」が基本です。浴槽内では、浮力による身体の滑りにも注意します。

介護実践でのポイント
入浴前に体調、血圧、皮膚状態、湯温、浴室温、手すりと移乗台の安定を確認します。動作を始める前に手順を説明し、急がせず、利用者の疲労や表情を確認しながら介助します。

選択肢の確認

1.「浴槽に入るときは、右足から入りましょう」
適切ではありません。
右片麻痺では右足が麻痺側です。浴槽に入るときは、身体を支えやすい非麻痺側の左足から入ることが基本であり、麻痺側の右足は必要に応じて支援します。

2.「湯につかるときは、左膝に手をついてゆっくり入りましょう」
適切ではありません。
左膝に手をつくだけでは、手が滑ったり体幹が不安定になったりする危険があります。非麻痺側の手で手すりや浴槽縁などの安定した支持物を持ち、姿勢を確認しながらゆっくり身体を下ろします。

3.「浴槽内では、足で浴槽の壁を押すようにして姿勢を安定させましょう」
正答。最も適切です。
足を浴槽の壁に当てて押すと、浮力による臀部の前方への滑りを抑え、座位を安定させやすくなります。

4.「浴槽内では、後ろの壁に寄りかかり足を伸ばしましょう」
適切ではありません。
足を伸ばして後方へ寄りかかると、浮力で臀部が前方へ滑り、身体が沈み込む危険があります。足底を支持面に当て、骨盤と体幹を安定させることが必要です。

5.「浴槽から出るときは、真上方向に立ち上がりましょう」
適切ではありません。
真上に立とうとすると、重心が足の上へ移らず、後方へ倒れる危険があります。手すり等を使い、体幹を前傾させて重心を足の上に移してから立ち上がります。

覚えるポイント

右片麻痺では、左側が非麻痺側です。

浴槽へ入るときは、非麻痺側から先に入ることを基本とします。

浴槽内では、足底を浴槽の壁に当てると、浮力による身体の滑りを抑えやすくなります。

立ち上がりは、体幹を前傾して重心を足の上へ移してから行います。

利用者の残存機能を活かし、手すり、移乗台、滑り止めなどを安全に活用します。

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