36Q90第36回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

次の記述のうち、血液透析を受けている利用者への食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.ゆでこぼした野菜をとるように勧める。

この問題のポイント

血液透析では、腎臓から十分に排泄できない水分、ナトリウム、カリウム、リンなどが体内に蓄積しやすくなります。

カリウムは水に溶け出す性質があるため、野菜をゆで、ゆで汁を捨てる「ゆでこぼし」は、野菜に含まれるカリウムを減らす調理法です。

解説

血液透析を受けている人では、次の透析までの間に水分や電解質が体内に蓄積します。高カリウム血症は筋力低下や重篤な不整脈の原因になり、水分と塩分の過剰摂取は体重増加、高血圧、浮腫、心不全などにつながります。また、リンが蓄積すると骨や血管への悪影響が生じます。

野菜にはカリウムを多く含むものがあります。細かく切って水にさらす、たっぷりの湯でゆでる、ゆで汁を捨てるなどの調理によって、カリウム摂取量を減らすことができます。ゆで汁にはカリウムが溶け出しているため、スープなどに再利用しないことが重要です。ただし、ゆでこぼしでカリウムを完全に取り除けるわけではなく、野菜の種類や切り方、調理条件によって減少量も異なります。野菜の摂取量は、検査値などに基づく個別の指示に従います。

一方で、透析中の食事制限は全員一律ではありません。尿量、透析条件、検査値、体格、栄養状態、併存疾患などによって必要な量が異なります。魚や肉などのたんぱく質は低栄養予防に重要ですが、必要量を超えて一律に多く勧めるのは適切ではありません。

ひっかけポイント
血液透析では「すべての食品を減らせばよい」のではありません。カリウム、リン、塩分、水分などを適切に調整しながら、必要なエネルギーとたんぱく質を確保します。制限量は個別の指示に従います。

介護実践でのポイント
介護福祉職の判断で食事制限を変更せず、医師や管理栄養士から示された内容を確認します。食事・水分摂取量、透析間の体重増加、浮腫、息苦しさ、食欲低下などを観察し、変化があれば医療職へ報告します。利用者が続けられる調理法や味付けを一緒に考えることも大切です。

選択肢の確認

1.塩分の多い食品をとるように勧める。

誤りです。
塩分を多くとると口渇が強まり、水分摂取量と透析間の体重増加が増えやすくなります。高血圧、浮腫、心不全の原因にもなるため、塩分は指示された範囲に調整します。

2.ゆでこぼした野菜をとるように勧める。

正しいです。
野菜をゆでてゆで汁を捨てると、水に溶け出した分のカリウムを減らすことができます。高カリウム血症を予防しながら野菜を摂取するための代表的な調理上の工夫です。ただし、カリウムを完全に除去できるわけではないため、摂取量は個別の指示に従います。

3.乳製品を多くとるように勧める。

誤りです。
乳製品にはリンやカリウムを多く含むものがあります。透析患者に一律に多く勧めるのではなく、検査値や栄養状態に応じた摂取量を守ります。

4.水分を多くとるように勧める。

誤りです。
尿量が減少している利用者が水分を多くとると、体内に水分が蓄積し、浮腫、高血圧、肺水腫、心不全などを起こす危険があります。水分量は尿量や透析条件に応じた個別の指示に従います。

5.魚や肉を使った料理を多くとるように勧める。

誤りです。
魚や肉は必要なたんぱく質を補うために重要ですが、リンなども含みます。「多く」と一律に勧めるのではなく、体格、栄養状態、透析条件、検査値に応じて指示された量を摂取します。

覚えるポイント

  • 血液透析では、水分、塩分、カリウム、リンなどの管理が必要である。
  • 野菜のカリウムは、水さらしやゆでこぼしで減らせるが、完全に除去できるわけではない。
  • ゆで汁にはカリウムが溶け出しているため、再利用しない。
  • 塩分の過剰摂取は口渇と水分摂取を増やす。
  • 水分の過剰摂取は浮腫、高血圧、心不全などにつながる。
  • たんぱく質は必要だが、一律に多く勧めず個別の指示に従う。
  • 食事制限は、検査値、尿量、透析条件、栄養状態に応じて個別に調整する。

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