36Q81|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)で、関節の変形や痛みがある人への住まいに関する介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.手すりは、握らずに利用できる平手すりを勧める。
この問題のポイント
関節リウマチでは、関節の炎症によって痛み、動かしにくさ、変形などが生じ、手指や手関節を強く握る動作が負担になることがあります。
平手すりは、手指で強く握り込まなくても、手のひらや前腕を広い面に置いて身体を支えられます。関節への負担を減らしながら立ち座りや移動を支援できるため、選択肢1が最も適切です。
解説
関節リウマチは、免疫の異常によって関節の滑膜に炎症が起こる全身性の疾患です。炎症が続くと関節の痛みや腫れ、可動域制限が生じ、進行すると軟骨や骨の破壊、関節変形につながります。
住環境を整えるときは、痛む関節に大きな力をかけない「関節保護」の視点が重要です。手指の痛みや変形がある人に、細い手すりを強く握らせると負担になります。平手すりであれば、手のひらや前腕を置き、広い面で身体を支えられます。
下肢の関節にも痛みや可動域制限がある場合は、床に近い位置からの立ち上がりや、深く腰を下ろす動作が難しくなります。そのため、低い椅子や床に敷いた布団よりも、身体に合った高さの椅子やベッドを利用するほうが、立ち座りの負担を軽減できます。
ドアは、開閉に必要な力、手指をひねる動作、開閉時の身体の移動範囲を考えます。一般には、軽い力で扱える引き戸やレバーハンドルなどが利用しやすい環境です。また、階段の昇降は下肢関節への負担と転倒リスクを高めるため、日常的に使う居室は可能であれば1階にまとめます。
ひっかけポイント
「手すりは握って使うもの」と考えると迷いやすい問題です。関節リウマチで手指の痛みや変形がある人には、握力に頼らず、手のひらや前腕で支えられる形状が適しています。
介護実践でのポイント
住環境の整備は、診断名だけで一律に決めません。痛む関節、可動域、握力、身長、普段の動作、本人の希望を確認し、理学療法士、作業療法士、福祉用具専門相談員などと連携して選びます。実際の生活場面で試し、安全性と使いやすさを本人と一緒に確認することが大切です。
選択肢の確認
1.手すりは、握らずに利用できる平手すりを勧める。
正しいです。
平手すりは、手指で強く握らなくても、手のひらや前腕を置いて身体を支えられます。手指や手関節への負担を減らす環境整備として適切です。
2.いすの座面の高さは、低いものを勧める。
誤りです。
低い椅子では股関節や膝関節を深く曲げる必要があり、立ち上がるときにも大きな力が必要です。身体に合った、やや高めで安定した座面や肘掛けのある椅子を検討します。
3.ベッドよりも、床に布団を敷いて寝るように勧める。
誤りです。
床からの起き上がりや立ち上がりは、手、膝、股関節などに大きな負担をかけます。高さを調整できるベッドのほうが動作しやすく、介助もしやすくなります。
4.部屋のドアは、開き戸を勧める。
誤りです。
開き戸は、扉の開閉範囲を避けながら押したり引いたりする必要があります。手指をひねらず軽い力で扱え、開閉時の身体移動が少ない引き戸などを検討します。
5.2階建ての家の場合、居室は2階にすることを勧める。
誤りです。
階段昇降は下肢関節への負担が大きく、転倒の危険もあります。可能であれば、居室、トイレ、食事場所などの日常生活空間を1階にまとめます。
覚えるポイント
- 関節リウマチでは、痛みや変形のある関節への負担を減らす。
- 手指で握りにくい人には、手のひらや前腕で支えられる平手すりが有効である。
- 椅子は低すぎない、安定したものを選ぶ。
- 床の布団よりも、立ち座りしやすい高さのベッドを検討する。
- ドアは軽い力で扱える引き戸やレバーハンドルを検討する。
- 階段の使用を減らし、主要な生活空間を同じ階にまとめる。