36Q18第36回 介護福祉士国家試験 過去問

人間と社会社会の理解

Eさん(55歳、女性、障害の有無は不明)は、ひきこもりの状態にあり、就労していない。父親の年金で父親とアパートで暮らしていたが、父親が亡くなり、一人暮らしになった。遠方に住む弟は、姉が家賃を滞納していて、生活に困っているようだと、家主から連絡を受けた。 心配した弟が相談する機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2.福祉事務所

この問題のポイント

Eさんは、父親の死亡によって生活を支えていた収入を失い、家賃を滞納しています。まず対応すべき課題は生活困窮と住居を失う危険であるため、生活保護を含む福祉制度の相談・申請窓口である福祉事務所が最も適切です。

解説

Eさんは就労しておらず、これまでは父親の年金で生活していました。父親が亡くなった後は一人暮らしとなり、家賃を滞納しています。このままでは、食事や医療などの生活維持が難しくなったり、住居を失ったりするおそれがあります。

福祉事務所は、生活保護法をはじめとする福祉関係法令に基づく相談や援護を行う、地域の第一線の社会福祉行政機関です。生活保護の相談・申請を受け、収入、資産、生活状況、住居、健康状態、就労の可能性などを調査し、必要な支援を検討します。生活保護では、生活費に対応する生活扶助のほか、一定の範囲で家賃に対応する住宅扶助もあります。

事例では障害の有無が不明であり、「ひきこもり」という情報だけで精神障害があると判断することはできません。精神保健上の支援や就労支援が必要な可能性はありますが、まず生活と住居の危機に対応できる福祉事務所へ相談し、アセスメントに基づいて適切な機関へつなぐことが必要です。

ひっかけポイント
「ひきこもり」という言葉だけを見て精神保健福祉センターを選ばないようにします。設問では、家賃滞納と生活困窮という、現在最も切迫した課題に対応できる機関を判断します。

介護実践でのポイント
長期間の孤立、父親との死別、栄養状態、受診の必要性、住居を失う危険なども確認します。本人を責めたり、直ちに就労だけを求めたりせず、本人との関係を築きながら福祉事務所、生活困窮者自立相談支援機関、保健医療機関などが連携できるように支援します。

選択肢の確認

1.地域包括支援センター
誤りです。
地域包括支援センターは、主に高齢者の総合相談、権利擁護、介護予防支援などを行います。Eさんは55歳であり、現在の中心的な課題は生活困窮と家賃滞納です。

2.福祉事務所
正しいです。
福祉事務所は、生活保護を含む福祉制度の相談・申請窓口です。Eさんの収入、資産、生活状況などを確認し、生活費や住居に関する支援の必要性を検討できます。

3.精神保健福祉センター
誤りです。
精神保健福祉センターは、精神保健や精神障害に関する専門的な相談を行います。しかし、Eさんに精神障害があるとは確認されておらず、まず対応すべき課題は生活困窮と家賃滞納です。

4.公共職業安定所(ハローワーク)
誤りです。
公共職業安定所は職業相談や職業紹介などを行いますが、生活保護の決定や住宅扶助の相談を行う機関ではありません。Eさんは当面の生活基盤を整えたうえで、必要に応じて就労支援につなぎます。

5.年金事務所
誤りです。
年金事務所は、公的年金の加入、保険料、年金給付などを扱います。父親が受給していた年金が、そのままEさんの生活費として引き継がれるわけではなく、現在の生活困窮への総合的な相談先にはなりません。

覚えるポイント

生活保護の相談・申請窓口は福祉事務所です。

福祉事務所は、生活状況、収入、資産、住居、健康状態などを総合的に確認します。

家賃に関する扶助は住宅扶助、日常の生活費に関する扶助は生活扶助です。

「ひきこもり=精神障害」と決めつけません。

相談先は、属性だけでなく現在最も切迫している課題から判断します。

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