35Q98|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
弱視で物の区別がつきにくい人の調理と買い物の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5.よく使う調理器具は,いつも同じ場所に収納するように勧める。
この問題のポイント
弱視のある人への支援では、残っている視力、触覚、記憶を活用し、本人が安全に自分で行える環境を整えます。物の位置を一定にすることは、探す負担や事故の危険を減らし、自立した調理を支える基本的な環境調整です。
解説
弱視では、明るさ、色の違い、物の形や位置などを捉えにくいことがありますが、見え方は一人ひとり異なります。全く見えないと決めつけず、見やすい照明、まぶしさの軽減、色のコントラスト、触覚的な目印、物の配置などを本人と一緒に調整します。
よく使う調理器具を決められた場所に収納すると、位置の記憶を手がかりにして自分で取り出せます。使用後も同じ場所へ戻し、周囲の人が本人へ知らせずに配置を変えないことが重要です。
食材とまな板は、同じ色ではなく対照的な色にすると見分けやすくなります。買い物でも、ガイドヘルパーにすべて任せるのではなく、移動や商品情報の確認など必要な部分を支援し、商品を選ぶことや支払うことは本人の希望と能力に応じて行えるようにします。
ひっかけポイント
「安全のためにすべて他者へ任せる」ことは、自立支援ではありません。また、弱視のある人には明るくすればよいとは限らず、強い光がまぶしさを生じさせる場合もあります。本人の見え方を確認して個別に調整します。
介護実践でのポイント
本人に、見やすい明るさ、色、距離、利き手、普段の探し方を確認します。調理器具や食品の位置を本人と決め、大きな文字、触って分かる印、色のコントラストを活用します。包丁などの危険物は、刃の向きも含めて安全な定位置を決め、移動した場合は必ず本人へ伝えます。
選択肢の確認
1.買い物は,ガイドヘルパーに任せるように勧める。
誤りです。 ガイドヘルパーは移動や情報取得を支援しますが、買い物そのものをすべて任せる必要はありません。本人が商品を選び、可能な方法で支払えるように必要な部分を支援します。
2.財布は,貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。
誤りです。 貨幣と紙幣を同じ場所に入れると区別しにくく、支払い時の負担が増えます。種類ごとに分けられる仕切りや、触って区別しやすい収納方法を用います。
3.包丁は,調理台の手前に置くように勧める。
誤りです。 調理台の手前に置くと、身体や衣服が触れて落下する危険があります。本人と相談して安全な定位置を決め、刃の向きにも配慮します。
4.まな板は,食材と同じ色にするように勧める。
誤りです。 食材とまな板が同じ色では境界が分かりにくくなります。食材と対照的な色のまな板を選び、色のコントラストを利用します。
5.よく使う調理器具は,いつも同じ場所に収納するように勧める。
正しいです。 配置を一定にすると、場所の記憶や触覚を利用して調理器具を見つけやすくなり、安全性と自立性の向上につながります。
覚えるポイント
- 弱視は見え方に個人差があり、全盲とは異なる。
- 残存視力、触覚、位置の記憶を活用する。
- よく使う物は、本人と決めた同じ場所へ戻す。
- 食材とまな板は、対照的な色にして見分けやすくする。
- 他者に全面的に任せず、本人ができる部分を生かす。