35Q92|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
Jさん(85 歳,女性,要介護 2 )は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。時間をかければ一人で洗身,洗髪もできるが,ズボンの上に下着を着る行為がみられたため,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。Jさんの入浴時における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.衣服の着る順番に応じて声をかける。
この問題のポイント
Jさんは、時間をかければ洗身や洗髪を一人で行えます。身体を動かす能力が失われているのではなく、衣服を着る順序が分かりにくくなっていると考えられます。
本人ができる動作は任せ、困難な「順序」の部分を分かりやすい声かけで補うことが、自立支援につながります。
解説
アルツハイマー型認知症では、複数の動作を順番どおりに進めることが難しくなる場合があります。ズボンの上に下着を着た行為から、Jさんは衣服を着る順番の理解や実行に支援が必要だと考えられます。
一方、時間をかければ洗身と洗髪を一人で行えるため、介護者がすべてを代行する必要はありません。「まず下着を着ましょう」「次にズボンを履きましょう」など、着る順番に合わせて一つずつ具体的に声をかければ、Jさんの残存能力を生かしながら着衣できます。
ひっかけポイント
認知症があるという理由だけで、介護者が洗身、洗髪、着脱を全面的に代行するのは過剰介護です。この事例では、「何ができないか」だけでなく、「時間をかければ何ができるか」を読み取ります。
介護実践でのポイント
急がせず、一度に多くの指示を出さないことが大切です。短く具体的な言葉で一つずつ伝え、反応を待ちます。言葉だけで分かりにくい場合は、次に着る衣服を手渡す、指差す、着る動作を見せるなど、援助を段階的に加えます。間違いを責めたり、人前で訂正して羞恥心を与えたりせず、プライバシーと本人のペースを守ります。
選択肢の確認
1.脱いだ衣服は,着る衣服の隣に並べて置く。
誤りです。 脱いだ衣服とこれから着る衣服を並べると、どちらを着るのか分かりにくくなり、混乱を招く可能性があります。脱いだ衣服は分け、清潔な衣服を着る順番に整理して提示します。
2.洗身と洗髪は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。
誤りです。 Jさんは時間をかければ一人で洗身と洗髪ができます。安全を確認しながら見守り、必要な部分だけ援助することが自立支援になります。
3.入浴中の利用者に声をかけることは控える。
誤りです。 適切な声かけは、動作の順序を伝え、安全と安心を保つために必要です。ただし、急かしたり、同時に多くの指示を出したりしないよう配慮します。
4.衣服の着る順番に応じて声をかける。
正しいです。 Jさんが混乱している衣服の順序を、一つずつ具体的な声かけで補うことで、本人の残存能力を生かして着衣できます。
5.ズボンの着脱は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。
誤りです。 身体的にズボンを着脱できないとは示されていません。まず順番を伝える声かけや衣服の提示を行い、それでも難しい部分だけ介助します。
覚えるポイント
認知症の人への生活支援は、「できることは待って見守る」「一度に一つ、短く具体的に伝える」「必要な部分だけ介助する」が基本です。