35Q81第35回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.手すりを設置している。

この問題のポイント

高齢者が階段を安全に昇り降りするためには、身体を支えられる手すり、足を十分に置ける踏面、上げ下げしやすい段の高さ、段差を見分けやすい照明、滑りにくい床面が重要です。

この問題では、「転倒を防ぎ、姿勢を安定させる構造」になっているかを見分けます。

解説

階段では、片足を次の段へ移す間に支持基底面が狭くなり、重心も上下に移動します。筋力や平衡機能、視力が低下している高齢者では、わずかなふらつきや足の上げにくさが転倒につながることがあります。

手すりがあると、上肢で身体を支えながら重心を移動でき、ふらついたときにも姿勢を立て直しやすくなります。利用者の身体状況や住宅環境に応じて、握りやすい太さ、高さ、連続性、設置する側などを検討します。

一方で、段が高すぎると膝や股関節を大きく上げる必要があり、筋力低下のある人には負担となります。踏面が浅すぎると足底を十分に置けず、踏み外しやすくなります。また、段の境界が見えにくい照明や、つま先・杖が引っかかりやすい床材は避けます。

介護実践でのポイント
階段を使う前には、手すりのぐらつき、照明、床面の滑りや物品の放置、履物、本人のふらつきや疲労を確認します。無理に階段を使わせず、必要に応じて住環境整備や福祉用具、多職種への相談につなげます。

選択肢の確認

1.手すりを設置している。
正答。最も適切です。
手すりは、階段で身体を支え、重心移動を助け、ふらついたときの転倒を防ぐために有効です。利用者が握りやすく、昇り始めから降り終わりまで使えるように設置することが重要です。

2.階段の一段の高さは,25 cm 以上である。
適切ではありません。
一段が高いほど、下肢を大きく上げる必要があり、膝関節や股関節への負担も増えます。足が上がりにくい高齢者では、つまずきや転倒の危険が高まります。

3.階段の足をのせる板の奥行は,15 cm 未満である。
適切ではありません。
足をのせる板である踏面が浅いと、足底全体を安定して置くことができません。特に降りるときに足を踏み外しやすくなるため、十分な奥行が必要です。

4.階段の照明は,足元の間接照明にする。
適切ではありません。
足元の間接照明だけでは、段の境界に影ができたり、明暗差によって踏面を見分けにくくなったりすることがあります。階段全体と各段の端が確認できる、まぶしさの少ない十分な照明が必要です。

5.毛の長いじゅうたんを敷く。
適切ではありません。
毛の長いじゅうたんは、つま先や杖が引っかかりやすく、足元も不安定になります。階段には、ずれにくく、滑りにくく、段の端を見分けやすい床面が適しています。

覚えるポイント

安全な階段の基本は、手すり、低めでそろった段、十分な踏面、見やすい照明、滑りにくい床面です。

高齢者の階段事故では、「足が上がるか」だけでなく、視力、平衡機能、疲労、履物、手すりの状態も確認します。

住環境は介護者の都合で一律に変えるのではなく、本人の動作と希望を確認しながら調整します。

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